1990 Fiscal Year Annual Research Report
経カテ-テル法による末梢、臓器温存近位動脈閉塞術に関する研究
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02807102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松井 修 金沢大学, 医学部, 助教授 (10019961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昭彦 金沢大学, 医学部, 助手 (40225488)
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Keywords | 消化管出血 / 動脈性出血 / 経カテ-テル的動脈塞栓術 / INTERVENTIONAL AN GIOGRAPHY / 人工血液 / バル-ンカテ-テル |
Research Abstract |
(1)腹部領域の基幹動脈の血行を根部にて遮断したときに生ずる末梢臓器障害の程度を知るために以下の検討を行った。 (1)ウサギを静脈麻酔下に開腹し,上腸間膜動脈根部を結紮後,種々の時間をおいて(1時間・3時間・6時間後)腸管を切りだし,固定標本を作成して,腸管の壊死・梗塞の有無・程度を組織学的に検討した。その結果回腸領域では,1時間後では明確な組織学的変化は認められなかった。3時間後では,軽度の浮腫及び出血を認めたが,粘膜面は比較的良く保たれていた。6時間後では明らかな出血及び浮腫を認め,粘膜面の破壊像を広範囲に認めた。空腸(近位小腸)領域及び結腸領域では何れの時間においても明瞭な組織学的変化は認められなかった。以上の結果よりウサギ上腸間膜動脈根部の血行遮断により回腸(遠位小腸)領域に3時間前後で軽度の,6時間前後でかなり強度の梗塞性変化が生じるものと考えられた。 (2)同様に開腹したウサギの賢動脈根部を結紮し,3時間後に切りだして組織学的変化を検討した。 (2)成犬を対象として麻酔下に大腿動脈より,既に試作したautoperfusion balloon catheterを上腸間膜動脈根部に挿入し,balloonをdilateさせた状態で血管造影施行,末梢の腸管枝は比較的明瞭に描出された。又2時間後に切りだした小腸にも組織学的変化は認めなかった。以上の結果より本カテ-テルの有用性(末梢臓器を温存しながら基幹動脈根部をブロックする)が示唆された。
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