1991 Fiscal Year Annual Research Report
経カテ-テル法による末梢臓器温存近位動脈閉塞術に関する研究
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02807102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松井 修 金沢大学, 医学部, 助教授 (10019961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 昭彦 金沢大学, 医学部, 助手 (40225488)
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Keywords | 動脈性出血 / 消化管出血 / 経カテ-テル的動脈閉塞術 / バル-ンカテ-テル / autopertusion / イエ血液 / inter vention al angiography |
Research Abstract |
(1)autoperfusion balloon catheter(以下APBC)の有用性に関する実験的検討(1)ーa)血管模型及び血液透析用ポンプを用いてグリセリン水溶液を還流させ,APBCの側孔を1分間に通過する液量を測定した。その結果,側孔の大きさは直径0.8〜1.3mm,数は3〜5個であれば十分な流量がとれ,かつフラッシュが有効でカテ-テルもキンクしにくいと考えられた。7F.APBC(径1.3mm側孔3個)の流量は129ml/分であった。(1)ーb)前年度に引き続きAPBCを成犬の上腸間膜動脈に挿入して根部をバル-ンにて閉塞し,近位の側孔を介する末梢血流の温存の程度を検索しようとしたが,短時間でAPBCが血栓にて閉塞する例が続いたため,上腸間膜動脈は本研究の実験系には不適当と判断した。(1)ーc)成犬7頭の腎動脈根部にAPBCを約2時間半留置後,腹部大動脈造影を施行,直後に屠殺して肉眼的,組織学的変化を検討した。腹部大動脈造影では側孔を介して閉塞腎が比較的良く造影された。肉眼的及び組織学的に異常所見を認めたものはなかった。一方対照として通常のバル-ンカテ-テルにて腎動脈根部を2時間閉塞した例では対側腎と比較して肉眼的に明らかに色調の変化を認め,組織学的にも尿細管上皮に虚血性変化が確認された。APBC内腔の血栓形成はいずれも軽度であった。以上の結果よりAPBCは比較的短時間の緊急止血法(末梢臓器温存近位動脈閉塞術)として有用な手段であり,臨床応用可能と考えられた。(2)酸素化人工血液の有用性に関する実験的検討:成犬5頭の腎動脈根部をバル-ンカテ-テルにて閉塞し,酸素化人工血液(Perfluorochemical emulsion)を体外より血液ポンプにより2時間にわたり種種の速度で注入した。直後に屠殺し閉塞腎の変化を肉眼的及び組織学的に検索した。その結果20ml/時間/kg(7.5kgの犬で150ml/時間)以上の速度で注入すると肉眼的及び組織学的に異常を認めず,腎動脈における末梢臓器温存近位動脈閉塞術に必要な注入速度と考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 小林 昭彦,松井 修,上田 隆之,上田 和彦,高島 力: "研究速報 Autoperfusion Balloon Catheterの末梢臓器温存近位動脈閉塞術における有用性に関する実験的検討" 日本医学放射線学会雑誌.