1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02807111
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上松 陽光 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 助手 (30211072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 省三 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 教授 (00115346)
芝本 利重 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 講師 (90178921)
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Keywords | 腎交感神経活動 / 求心性迷走神経 / 求心性交感神経 / 血圧 / 胆汁 / 膵炎 |
Research Abstract |
麻酔下の雑種成犬において胆汁を膵管内に注入した際の体血圧と遠心性腎交感神経活動の変化を観察し、その反射性反応に対する求心性交感神経ならびに求心性迷走神経の関与について検討した。本年度の結果は1.生理食塩水を膵管内に注入した群では、注入後の体血圧、心拍数ならびに腎臓交感神経活動は有意な変化を示さなかった。2.胆汁を注入した神経温存群では、心拍数は有意に変化しなかった、たが、体温圧と腎臓交感神経活動は有意な増加を示した。3.腹腔動脈および上腸間膜動脈周囲の交感神経を切離した群、横隔膜下で両側迷走神経を切離した群、交感神経と両側迷走神経を切離した群においては、心拍数ならびに体血圧は注入前値に対して有意な変化はみられなかった。一方、腎臓交感神経活動は交感神経を切離した群と両側迷走神経を切離した群においては有意な増加を示したが、神経温存群に比べ有意に低いレベルであった。また、交感神経と両側迷走神経をともに切離した群では、注入前値に対して有意な変化は認められなかった。 この反射の求心路には、膵管由来の求心性交感神経とともに求心性迷走神経が加算的に関与していることが示唆された。本実験成績は、急性膵炎時の心血管反応ならびに腎機能障害の病態解明に寄与するものである。以上より、次年度においては、電気生理学的に求心性経路の確認をする必要がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 上松 陽光: "自家胆汁の膵管内投与による反射性腎臓交感神経反応" 自律神経. 27. 504-511 (1990)
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[Publications] Takoshi Fujita: "Reflex effects on renal nerve activity and renal vascular tone during occlusion of sperior mesenteric artery in anesthetized dogs" Journal of the Autonomic Nervous System. 29. 129-136 (1990)