1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02808012
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松平 光男 金沢大学, 教育学部, 助教授 (10142621)
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Keywords | 絹織物 / 表面特性 / 圧縮特性 / ちくちく感 / 繊維 / ソフトさ / 風合い |
Research Abstract |
布の表面から突出した繊維1本から人が受ける力を検出するため、オ-ディオピックアップヘッドを改良した“プリックルメ-タ"を試作した。人が繊維製品に接触したときに感じる“ちくちく感"は、曲げ剛い太い繊維に依存していることを、消費者による主観評価及び、プリックルメ-タによる客観評価により明らかにした。人が繊維から受けるちくちく感は、繊維端が約1mN以上の力を支持できる繊維によってもたらされていることを明らかにした。 プリックルメ-タを用いて、絹織物の代表的織物であるハブタエ、デシン、ジョ-ゼット、チリメン、フジギヌ、ツムギ、シャンタン、等の布の表面特性を計測した。これら絹織物のうち、フィラメント糸よりなる布では突出繊維は全く認められず、有意な信号は得られなかった。スパン糸よりなるツムギ、フジギヌ、シャンタンでは、主観評価ではちくちく感を感じることはなく、繊維端の支持する力も0.1mN以下であった。 今回試作したプリックルメ-タでは、ピックアップヘッドのスタイラスを改良して用いている。スタイラスが突出繊維1本と衝突したときのスタイラスの減衰特性を解析することにより、繊維端が支持できる力を求めているのである。このスタイラスについては、レ-ザ-ディスクの普及から日本では既に製造を中止しており、また減衰特性のスタイラス依存性が強く、必ずしも全ての布を計測できるスタイラスを見つけることは出来なかった。今後はスタイラスの代わりとなるような圧電素子を探求することにより、絹織物のようなソフトな表面感をより詳細に検討できると考えている。
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