1991 Fiscal Year Annual Research Report
タイ国北部における大規模史跡の保全整備を中心とした地域計画に関する研究
Project/Area Number |
03041026
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 定夫 東京大学, 工学部, 教授 (10011214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUWATTANA Th チュラロンコン大学, 都市地域計画学科, 助教授
SAKCHAI Kiri チュラロンコン大学, 都市地域計画学科, 助教授
KIAT Chivaku チュラロンコン大学, 都市地域計画学科, 助教授
MANOP Bongsd チュラロンコン大学, 副学長
中村 文彦 東京大学, 工学部, 助手 (70217892)
上野 邦一 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発堀調査部, 遺構調査室長 (70000495)
高瀬 要一 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発堀調査部, 計測修景調査室長 (00090374)
西村 幸夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20159081)
|
Keywords | タイ / ヒストリカルパ-ク / 地域計画 / 保全整備 / 史跡 / 観光 / 農村集落 / 就業機会 |
Research Abstract |
現地調査により、研究対象地区であるタイ国北部の7県の大規模史跡保存状況並びに周辺の開発状況を把握した。その結果ヒストリカルパ-ク計画により史跡の整備が行われているスコ-タイ、シ-サッチャナライ、カンパンペットを主要な対象地域とし、保存コンセプトの異なる他の4県は比較事例として、研究の中に組み入れて行くこととした。現段階でも最も整備の進んでいるスコ-タイヒストリカルパ-クは今後に続くヒストリカルパ-ク計画のモデルとして位置づけられている。これを詳細に見ることは、地域スケ-ルでの史跡保全整備に対する手がかりを得るために有効であり、マスタ-プラン及び、現地調査から次のことが明かとなった。 1.ヒストリカルパ-ク内ではマスタ-プランに基づき現地農村集落の移転が行なわれている。しかし生活環境の質は好ましいものとはいえず、現地集落の地域計画の観点が欠落していることがうかがえる。2.各集落と史跡の集中する地区との結びつきがうすく、集落の伝統的景観及び建築様式の維持が整備計画上の重要な課題となっている。3.広域的な地域計画が皆無であるため、スコ-タイ史跡の活用が地域スケ-ルで位置づけられていない。4.バイパス整備にもかかわらず、歴史的な街道での交通規制がなせれず、大型自動車の通過が史跡の保存、現地集落住民の生活及び観光活動の安全に悪影響を与えている。5.数百年に亘る農業開発が史跡の重要要素である運河水路網を変貌させ、その復元整備が大きな課題である。6.当該地域の域内生産が著しく低く、人口流出による農業生産維持が懸念される。7.ヒストリカルパ-ク計画の推進に伴い、就業機会が増加してきている。地域経済を活性化する観光方策のあり方を検討していくことが課題のひとつとなっている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 渡辺 定夫: "史跡保存計画に関する研究ー歴史的環境管理のための基礎情報の構成ー" 東京大学工学部紀要A. No.25. (1987)
-
[Publications] 西村 幸夫: "都市計画におけるアジアの視点" 建築雑誌. 104 No.1290. (1989)
-
[Publications] 上野 邦一: "高山三町における敷地の所有状況と大火後の復興" 日本建築学会計画系論文報告集. No.389. (1988)
-
[Publications] 中村 文彦: "バス交通計画指針に関する比較研究" 道路経済研究所道経研シリ-ズ. (1989)