Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARCIA Delfi フィリピン火山地震研究所, 技術官
PUNONGBAYAN フィリピン火山地震研究所, 所長
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
伊藤 潔 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80022721)
渋谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
尾池 和夫 京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
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Research Abstract |
本研究は,フィリピン国ルソン島に超高性能地震計を設置し,ここで収録されたデ-タと他の西太平洋地域から得られたデ-タを併せ,世界でももっと造構造運動の激しいこの地域の運動のメカニズムを明きらかにするために立案された。本年度は,この目的達成のために,(1)超高性能収録システムの構築,(2)システムの稼動テスト,(3)システムの設置・収録開始,(3)フィリピン側との共同研究に項目を絞って研究を行った。 本システムに用いられる地震計は,STSII型と呼ばれる広帯域地震計のため,サンプリング周波数を42Hzと上げて,短周期成分の収録も可能となった。これは,設置点のタガイタイ観測点が,タ-ル火山の外輪山にあり,近い将来に噴火をする可能性が高いと考えられることから,グロ-バルな観点のみならず,近地地震も対象としたためである。記録は,トリガ-がかかると40分間にわたり42Hzで光磁気ディスクに収録される。もちろん地動は連続的に収録されており,このサンプリング周波数は1Hzとした。本年度の大半の時間は,ソフト,ハ-ド両面でのシステム構築に注がれた。特に停電の多いフィリピンで,システムの自動復帰,時計の自動較正は最後まで悩まされた点でもある。 設置は順調に行われ,現在光磁気ディスク上に収録が行われており,一枚目の記録が防災研に送られてくるところである。今後は一カ月に一回,記録が送付され,編集・複製後再びフィリピンに送られる予定である。デ-タの解析は防災研究所で行うと共に、フィリピンからも次年度1〜2名招へいし,合同で解析研究を実施する。これにより,グロ-バルな見地からの地震の研究と共に,タ-ル火山でのマグマの輸送に伴う微動など,極めて興味深い現象の研究が可能となる。
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