1991 Fiscal Year Annual Research Report
中国の古代稲作農耕文化に関する農学及び考古学的調査研究
Project/Area Number |
03041100
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Research Institution | SAGA University |
Principal Investigator |
和佐野 喜久生 佐賀大学, 農学部, 教授 (40039342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 詩選 雲南省農業科学院, 教授
周 季維 雲南省農業科学院, 研究部, 研究員
陳 文華 江西省社会科学院, 教授
楊 式挺 広東省博物館, 研究員
陳 表裕 湖北省文物考古研究所, 教授
尹 紹亭 雲南省社会科学院, 民族博物館, 助理研究員
蘇 哲 北京大学, 考古系, 講師
湯 陵華 江蘇省農業科学院, 作物系, 講師
すう 江石 江蘇省農業科学院, 教授
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 大学院博士課程
藤原 宏志 宮崎大学, 農学部, 教授 (40040860)
森山 啓子 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (70000247)
寺沢 薫 橿原考古研究所, 調査課, 主任研究員
高倉 洋彰 西南学院大学, 文学部, 教授 (70226760)
菅谷 文則 橿原考古研究所, 調査課, 課長
白木原 和美 熊本大学, 文学部, 教授 (60089141)
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Keywords | 栽培稲の起源 / 中国古代農業 / 炭化稲粒 / 雲南省 / 海南島 / プラント・オパ-ル / 少数民族 / 中国新石器時代 |
Research Abstract |
本学術調査は農学及び考古学の異なる専門分野から、栽培稲の起原に関する遺伝・育種学的調査・研究、及び中国の古代稲作農耕とその文化の発祥・変遷・伝播についての中国での現地及び考古遺物の調査、考古文献資料の収集・研究及び現地専門家との討論によって行った。研究調査は、和佐野と藤原のそれぞれを代表とする二つのグル-プに分かれて、9月12日から10月3日及び12月5日から12月11日の異なる二つの期間に行った。和佐野班の主な訪問先は、湖北省文物考古研究所、湖北省荊州博物館、湖南省博物館、湖南省文物考古研究所、広東省西漢南越王墓博物館、広州市張物館、海南省生物研究中心、海南省民族学院資料館、海南省作物研究所、雲南省農業科学院、雲南省博物館、雲南省元江作物研究所、雲南省四双版納自治州などであった。これらに所蔵の考古資料の調査及び現地専門研究員との研究討論、博物館周辺の関連重要遺跡の実地調査、及び野生稲・在来稲の生育調査などを、研究者それぞれが自分の専門に応じて分担して行った。藤原班は蘇州市呉県竜南村の竜南遺跡でのボ-リング-査、草鞋山遺跡の実地調査、南京博物院での今後の研究打ち合わせなどを行った。主に行った研究・調査の実績は以下のようである。 (1)炭化稲粒の調査:約BP.2600年の湖北省江陵遺跡、湖南省馬王堆遺跡からの稲粒及びPB.8500年の彭頭山遺跡から発掘された土器中の炭化稲粒の接写写真撮影による測定調査、(2)広東省広州市、海南省の海口、三亜市、雲嵩省元江市での野生稲・在来稲の生育調査及び現地専門研究員との研究討論、(3)草鞋遺跡周辺部水田跡で包含層の発見(4)馬家浜文化遺跡(BP.6000年)からイネのプラント・オパ-ルの検出(5)雲南省元江、四双版納自治州の少数民族の住居、風俗・風習、稲作農耕儀礼、神事、農法、農具などの現地調査、(6)中国新石器特代の古代人の経済・文化・生活・風俗習慣及び稲作農耕と関連する考古遺物の観察調査と現地専門家との討論、以上が主な調査項目となった。
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