1991 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の発生と増殖に関する日本・アメリカ合衆国共同研究
Project/Area Number |
03042011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小磯 謙吉 筑波大学, 臨床医学系・泌尿器科, 教授 (20010192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PROUT G.R. ハーバード大学, 医学部, 教授
OYASU RYOICH ノースウェスタン大学, 病理学教室, 教授
MOSTOFI F.K. A. F. I. P, 主任
原田 昌興 神奈川県立がんセンター, 臨床研究所研究第1科, 科長(主任) (20081648)
根本 良介 鳥取大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (10006801)
菊池 孝治 筑波大学, 臨床医学系・泌尿器科, 講師 (30224900)
内田 克紀 筑波大学, 臨床医学系・泌尿器科, 講師 (20223555)
大谷 幹伸 筑波大学, 臨床医学系・泌尿器科, 講師 (80133081)
赤座 英之 筑波大学, 臨床医学系・泌尿器科, 助教授 (70010486)
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Keywords | 前立腺癌 / 偶発癌 / 顕在癌 / 病理組織学 / 免疫組織化学 / クロモゾ-ム分析 / PCNA / AgNOR |
Research Abstract |
日米間に前立腺偶発癌やラテント癌の頻度に明らかな差はないとされるが、米国では臨床的顕在癌の頻度が高く、前立腺癌による死亡率は肺癌についで2位である。本邦ではそれほど高率ではないが増加傾向にある。そこで日米前立腺癌の増殖に関わる差を形態学的に解析し両国間における前立腺癌の臨床的差異を生ずる因子を解明して将来の前立腺癌患者の増殖抑制に役立てようとするのがこの研究の目的である。 〈材料と方法〉A.F.I.P.で集積された前立腺癌例792例と本部集積症例1037例の病理組織標本を形態学的に比較検討した。全標本は日米間の病理医の形態学的診断の差をなくすためにお互い全て観察するように努めた。 〈結果〉(1)Stage A癌においては日本の方が米国例よりも高分化癌の頻度が高く、この頻度差が臨床的顕在癌の頻度に影響しているように思われた。(2)臨床病期別に比較してみると、臨床癌の頻度では本邦症例にloro stage症例が多く、これは初期癌の中に非浸潤型が多いことが反映しているとも考えられた。(3)米国症例ではstage Cの頻度が高かったが、stage Dの頻度は逆に例で高く、これは本邦における本疾患に対する意識の違いが影響していると思われた。日米のstage C,D前立腺癌の組織学的分化度に大きな相違は認められなかったが、stage Bにおいては本邦例で低分化癌の頻度が高かった。微小非浸潤癌が浸癌へ進行する段階に関わる要因と浸潤癌のその後の増殖進展に関わる要因には相違があるとも想定される。現在(1)同一標本を用いてPCNA,を用いた細胞動態解析、(2)PSAやPAPを用いた染色パタ-ンの比較(3)クロモゾ-ム分析(4)AgNORを用いた細胞動態解析などの研究が進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ryosuke Nemoto: "Immunohistochemical detection of proliferating cell(PCNA) in prostate cancer." Journal of Urology.
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[Publications] Ryosuke Nemoto: "Gleasons histologic grading for the comparative study on prostate cancer betwen Japan and U.S." Japanese Journal of Clinical Oncology.
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[Publications] 原田 昌興: "日米前立腺癌における臨床病理学的相違" 日本泌尿器科学会雑誌.
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[Publications] 内田 克紀: "日米Stage A前立腺癌における臨床病理学的相違" 日本泌尿器科学会雑誌.
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[Publications] 内田 克紀: "前立腺癌における微量金属の分布" 医学の歩み.
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[Publications] 西嶋 由貴子他: "前立腺癌骨転移パタ-ンに関する検討" 日本泌尿器科学会雑誌.