1991 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける蒙古系民族の分散と先史文化交流に関する日ソ共同研究
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03044138
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
松本 秀雄 大阪医科大学, 医学部, 学長 (30084809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チキシェウ゛ァ T.A. ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 研究員
サカ゛ラエフ A.M. ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 上級研究員
シュニコフ M.V. ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 研究員
ドロズドフ N.I. ロシア科学アカデミー, シベリア支部・中央シベリア先史生態学研究室, 室長
デレビャンコ A.P. ロシア科学アカデミー, シベリア支部・歴史・言語・哲学研究所, 所長
ウィーベ V.P. ロシア科学アカデミー, シベリア支部・細胞遺伝研究所, 研究員
アレクセーエフ V.P. ロシア科学アカデミー, 考古学研究所, 所長
鈴木 広一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60171211)
佐々木 史郎 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (70178648)
片山 一道 京都大学, 理学部, 助教授 (70097921)
荻原 眞子 湘南国際女子短期大学, 国際教養学科, 教授 (00129074)
石本 剛一 三重大学, 医学部, 助教授 (30024673)
山口 敏 国立科学博物館, 人類研究部, 部長 (80000115)
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Keywords | ツング-ス系民族 / ウデヘ / エベンキ / ブリア-ト |
Research Abstract |
文化人類学班は、沿海州でツング-ス系先住民の一派であるウデヘ人の民俗調査を行った。ウデヘは烏蘇里江の支流からシホテ・アリン山脈、日本海沿岸に散在する村落に居住。今回はビキン川(烏蘇里江の支流の一つ)流域のクラスノ・ヤルという村を訪ねた。この村の人々はギキン川上流の森林で、鹿、てん等を対象とする狩猟活動に従事している。今回の調査は冬期で、調査活動が制限されたが、村人との会話を通じて、ウデヘの狩猟慣習の一旦と、今日の様々な難問を垣間見ることが出来、この調査で得られた情報は次回の調査に非常に有益なものである。 また、ロシア科学アカデミ-のウラジオストック研究所から、極東から沿海州にかけての人骨、特に古人骨に関する情報が寄せられており、同地域の形質人類学的研究に有益な資料・デ-タの提供を受けられるものと考える。 遺伝人類学班は、ハバロフスクからバイカル湖周辺のウラン・ウデに至るアム-ル川流域に居住する北方型蒙古系の少数民俗の採血調査を行った。まず、エベンキ族のウスト・ヌクジャという村をベ-スとして、エベンキの人々が家畜のトナカイと共に生活している数十キロ離れた山上のヘ-ディング・キャンプ地を訪れて採血を行った。また、ウスト・ウケルマ村、ペルボマイスキ-村等でもエベンキの採血を行い、バイカル湖近くのウラン・ウデでは、ブリア-ト族の採血調査を行った。得られた両部族の血液資料については、血球型、血清型、白血球型等の検査を順次行っている。今回の調査で血液の採取が出来たエベンキ族、ブリア-ト族については、過去のロシアの厳しい制限などにより、今日まで血液型のデ-タが極めて希少であった。この採血調査により得られるデ-タは、今後の人類遺伝学的研究に大変有意義なものである。
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