1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03044159
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
鈴木 嘉吉 奈良国立文化財研究所, 所長 (80000305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常 青 中国社会科学院, 漢唐研究室, 研究員
劉 振東 中国社会科学院, 漢唐研究室, 研究員
段 鵬〓 中国社会科学院, 漢唐研究室, 研究員
王 岩 中国社会科学院, 漢唐研究室, 研究員
劉 観民 中国社会科学院, 漢唐研究室, 室長
徐 光冀 中国社会科学院, 考古研究所, 副所長
玉田 芳英 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部・考古第二調査室, 研究員 (90188425)
深澤 芳樹 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部・考古第一調査室, 研究員 (40156740)
綾村 宏 奈良国立文化財研究所, 歴史研究室, 室長 (20000507)
木全 敬蔵 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター測量研究室, 室長 (30099957)
町田 章 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 部長 (90000471)
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Keywords | 都城 / 〓城 / 長安城 / 洛陽城 / 京城 / 左右対称形 / 発掘調査 / 出土遣物 |
Research Abstract |
奈良国立文化財研究所と中国社会科学院考古研究所との間で共同研究に関する識定書を締結し、中国と日本の古代都城制に関する本格的な研究に着手した。これまでに両国間に国家レベルでの発掘研究についての交流がなかっただけに、各種の問題が生じた。その最大の問題は〓城遺跡において日本人研究者の受入れ体制が、円滑に進まず一週間ほどの短期間に終わらざるをえなかった。平成4年度については一カ月程度の発掘調査が可能との確約をえている。そうしたことから本年度は研究員の相互交流に主力をおくことになった。 中国各地の都城遺跡の発掘調査によって出土した遺物に対する検討は順調に進み、軒瓦の文様、施釉陶器、磁器の未公開資料を観察できた。今後は発掘調査でえた図面・地図類などの交換を行い、図上での遺跡の比較検討を行うことを合わせて検討している。 共同研究会は奈良国立文化財研究所で行い、中国側からは以下のテ-マで発表があった。 1、曹魏〓城の平面配置・・・・・・・・・徐光冀 2、北魏洛陽城の考古学的発見と課題・・・段鵬〓 3、隋唐洛陽城の新発見と研究・・・・・・王岩 4、漢唐都城計画における中央官署・・・・劉観民 それに対して、日本側からは次の発表を行った。 1、京城の設定とその変遷・・・・・・・・黒崎直 2、大極殿と朝堂・・・・・・・・・・・・金子裕之 日中相互における研究の現状認識が大きな課題であった。しかし、中国では漢代以前の都城が地形などに従う不整形なものであるのに対して、北魏時代頃から左右対称形の方形区画による都城が成立しており、日本の都城が後者に属するという指摘は重要であり今後の研究課題となる。
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[Publications] 徐 光冀: "〓城跡の近年の調査成果と北朝大型壁画墓の発見" 考古学研究. 152. 102-112 (1992)
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[Publications] 町田 章: "「平城京」『新版古代の日本』近畿II" 角川書店, 113-136 (1991)