1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03045038
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
三好 英夫 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 教授 (50036711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DOLEY David クインズランド大学, 理学部, 助教授
GREENWOOD Ja クインズランド大学, 理学部, 助教授
STACKEBRANDT エルコ クインズランド大学, 理学部, 教授
橘川 次郎 クインズランド大学, 理学部, 教授
深見 公雄 高知大学, 農学部, 助教授 (30181241)
西島 敏隆 高知大学, 農学部, 教授 (60036738)
岩崎 望 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 助教授 (20193724)
大野 正夫 高知大学, 海洋生物教育研究センター, 教授 (10036543)
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Keywords | サンゴ礁海域 / 細菌 / 動物プランクトン / 粘液物質 |
Research Abstract |
調査試料の解析は目下続行中であるが、今までに明らかにし得た事項は以下の通りである。 ヘロン島周辺の海域は、高知大の我々が予想していた以上に清澄で、無機の栄養素と有機物の濃度のいずれも極めて低く、これらの溶存成分のサンゴ礁生態系による極めて効果的な利用が伺われた。この海域に分布している細菌は、メッシュフィルタ-を用いた分画法により、平均孔径数ミクロン以下の細かい分画にその大部分が含まれており、この海域に於けるろ過捕食者の活発な活動が伺われた。更にまたパラニトロフェノ-ルで標識したモデル基質を用いた分解活性測定でも、この分画に含まれる細菌の活性が、他の分画に比べて極めて強力であった。 なお、水柱に対するリンと窒素の主要な補給源の一つと考えられる底土からの溶出は、そのほとんどが有機態のもので占められていた。予備的に測定したその速度は必ずしも大きくなかったが、この点は更に検討する必要があろう。 サンゴは機械的な刺激により多量の粘液物質を分泌する。目視的な観察では、これらは潮汐により広範囲に輪送され、かつ実験室内では容易に細菌によって利用された事から、有機物供給源の少ないサンゴ礁生態系の物質循環に、これらが大きく寄与しているものと予想された。 サンゴに付着している動物プランクトンは、現場でエマ-ジェンシ-トラブ法、吸引法等で採集し、現在解析中であるが、多くの未知の種が含まれている事が明らかになった。 また、水中に溶存している生理活性物質の一つであるビタミンB_<12>の濃度と、その代謝に関係した細菌についても、引き続いて解析を続行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Baldia,S.F.,T.Nishijima,Y.Hata,and K.Fukami: "Growth characteristics of a blue-green alga Spirulina platensis for nitrogen utilization." Nippon Suisan Gakkai shi. 57. 645-654 (1991)
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[Publications] Fukami,K.,B.Meier,and J.Overbeck.: "Vertical and temporal changes in bacterial production and tits consumption by heterotrophic nanoflagollates in a north German eutrophic lake." Arch.Hydrobiol.122. 129-145 (1991)
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[Publications] Yoshinaga,Y.,K.Fukami,and Y.Ishida.: "Comparison of DNA and protein synthesis rates of bacterial assemblages between coral reef waters and pelagic waters in tropical ocean." Mar.Ecol.Prog.Ser.76. 167-174 (1991)
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[Publications] Fukami,K.,T.Nishijima,H.Murata,S.Doi,and Y.Hata.: "Distribution of bacteria influential on the development and the decay of Gymnodinium nagasakiense red tide and their effects on algal growth." Nippon Suisan Gakkai shi. 57. 2321-2326 (1991)
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[Publications] 深見 公雄;高知大学黒潮圏研究所編: "黒潮のナゾを追う" 高知新聞社, 161 (1991)
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[Publications] 深見 公雄;清水潮 編: "編洋微生物とバイオテクノロジ-" 技報堂出版, 370 (1991)