1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03301013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三谷 鉄夫 北海道大学, 文学部, 教授 (00000571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 喜久子 北海道情報大学, 経営情報学部, 講師 (20224496)
杉岡 直人 北星学園大学, 文学部, 助教授 (10113573)
白倉 幸男 北海道大学, 文学部, 助教授 (20135643)
遠藤 恵子 東北学院大学, 教養学部, 教授 (10132002)
盛山 和夫 東京大学, 文学部, 助教授 (50113577)
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Keywords | ネットワ-ク / サポ-ト |
Research Abstract |
‘イエ'制度の下における日本人の伝統的な生活は、家族とその拡がりとしての親族(同族)に基礎を置いていたので、非血縁の友人関係との関係は、生産関係を媒介とした協力組織を除いて、極めて限定的であった。これに対し、夫婦中心主義と個人主義とを基盤として社会関係を形成している欧米では、友人を含む個人のネットワ-クが、個人の生活における欲求充足や危機対処などの際にサポ-トするうえで大きな役割を果たしている。過去30年間における急速な日本社会の変化は、容易には変化しがたい家族の諸側面にも現れ、それとともに個人の側においてもその変化に即応した態度の変容が起っている。公的サ-ビスに対する、かつてないニ-ズが高まっている一方、家族および親族などの血縁関係によらない、友人を含むインフォ-マルなネットワ-クをみずから主体的に形成し、それを活用する兆しがあらわれている。そして、そのようなインフォ-マルなネットワ-クをどのように形成し活用しているかが個人の生活満足・幸福感に影響を与えている。ネットワ-クのタイプに関して年齢階層による差に着目すると、若年層では高校および大学の同窓の紐帯が比較的強いのに対し、高齢者層にあっては、交際期間が短いかたちで近隣を通して作られた友人関係が目立っている。性別には男性は職域を通じて形成されたネットワ-クが色濃く表れているのに対し、女性は近隣もしくはサ-クルを媒介としてネットワ-クを形作っている。都市の性格による特徴は、都市そのものによるというよりは、個人の職業および学歴の反映として捉えることができるようである。
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