1993 Fiscal Year Annual Research Report
海外赴任と家族関係の適応過程-単身赴任と帯同赴任の比較調査研究
Project/Area Number |
03301025
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Research Institution | College of Nursing Arts & Science, Hyougo |
Principal Investigator |
岡元 行雄 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (90177098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 公夫 同朋大学, 社会福祉学部, 助教授 (30158498)
長濱 一夫 同朋大学, 社会福祉学部, 助教授 (20189153)
菱山 謙二 筑波大学, 社会科学系, 教授 (30045067)
野田 一郎 東京学芸大学, 海外子女教育センター, 教授 (50133111)
大塩 俊介 東京都立大学, 人文学部, 名誉教授 (50083192)
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Keywords | 海外赴任 / 帯同赴任 / 単身赴任 / 国際化 / 日本人学校 / 家族 / 夫婦関係 / 親子関係 |
Research Abstract |
スペースの関係で職場関係に限定して要約すると以下のようになる。東南アジアへの日本企業の進出が反映された調査結果となっている。従業員規模でみても、東南アジアや北米が大きい。従業員は上役や同僚に日本人がいて、部下を使って仕事をするパターンが多い。仕事の相手が外国人のほうが多いのは半数ちょっとであり、日本人相手に仕事をしている人も目につく。職場での問題はやはり現地人の人材育成や人事管理、それに現地人とのギャップをどう埋めるかである。そのためにも言葉が重要であるが、急激な国際化に言葉の面で準備不足が目立つ。海外赴任の経過期間とともに、現地人への理解も深まる。海外に出ても仕事量が多く、家族が不満に思う例も多い。職場の地位が上の人は仕事にやりがいを感じ、海外赴任が昇進のワンステップと感じている人も積極的な姿勢を示している。単身赴任者で現地で上の地位にいるものは、帯同赴任でないために接待などで困る例が散見される。現地にいるために、自分の技術の向上や知識の獲得が困難だと感じる人は、専門・技術職や技能職の人に多い。技能職の人は言葉の面でも困難が多く、現地人とのギャップを感じやすく、現地人の人材育成や人事管理面で難しいと感じる人が他より多い。仕事量も多いと思っている。仕事への適応をみると、海外赴任後6か月くらいから急激に適応していく。東南アジアは他よりも適応のスピードが遅い。若年層ほどはじめのうちは適応が悪い。技能職や低学歴層の人は他よりも適応困難におちいりやすい。海外赴任が初めての人は赴任直後は相当苦労しているようだが、3か月目くらいから個人差が出てくるが、1年たつと相当程度適応が進む。帯同夫のほうが単身夫よりも仕事への適応がよい。
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