1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03301079
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 秀明 東北大学, 教養部, 教授 (80005751)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 武司 山形大学, 人文学部, 教授 (70007144)
住澤 博紀 日本女子大学, 家政学部, 講師 (50226601)
大森 眞紀 立教大学, 経済学部, 教授 (30145180)
岡 眞人 横浜市立大学, 経済研究所, 助教授 (80114940)
高木 郁朗 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50107174)
|
Keywords | 社会民主主義 / 福祉国家 / サッチャ-主義 / 社会経済政策 / EC統合 / 北欧型 / 南欧型 / レギュラシオン |
Research Abstract |
研究の第1年度にあたる平成3年度には前後4回にわたる研究会および研究者間の打合わせを7回おこなうとともに、収集した文献資料により、研究分担にもとづいて対象国の社会民主主義政党の政権期および野党時の経済政策の歴史的検討をおこなった。その内容の一部は従来の研究畜積とともに大内・高木・住澤著『転換と新しい構想』として発表された。そのなかでは、(1)80年代後半の時期にはスウェ-デンなど伝統的に福祉国家政策をとってきた国においても「サッチャ-主義の社会民主主義版」があらわれていること、(2)一方、ヨ-ロッパにおいては「ソ-シャル・ヨ-ロッパ」のスロ-ガンに示されるように、EC統合においても経済競争力を回復するという課題をこえて、社会経済政策の統合をめざす動きがさかんになっている、などの新しい知見が示されている。上記(1)にかんしては、文献研究と研究会討議によって、各国別の研究が進められ、ヨ-ロッパ社会民主主義といってもそのなかに北欧型(国家介入型)と南欧型(市場重視型)の分離が可能であることが明らかとなっている。これに今後登場する可能性をもつ東欧型を加えて、社会民主主義の経済社会政策の類型化の展望が開かれた。これとはべつに、大内を中心とする研究チ-ムは東北大学における関係文献資料の整理をおこなうとともに、レギュラシオン理論と、とくにフランス社会党の政策形成とのかかわりを検討しており、社会民主主義の経済政策にたいする思想と理論の関係を多面的に検討する糸口とした。
|
-
[Publications] 大内 秀明: "転換期の中の政策・制度闘争を考える" 労働経済旬報. 45. 5-8 (1991)
-
[Publications] 大内 秀明: "現代資本主義論の焦点ーソ連・東欧の崩壊と宇野三段階論ー" 『現代の資本主義ー構造と動態ー』お茶の水書房末刊. 478-493 (1992)
-
[Publications] 高木 郁朗: "欧州の労働組合は社会的存在である" 週刊東洋経済. 5054号. 61-65 (1992)
-
[Publications] 高木 郁朗: "現代における労働組合の政策課題の視点" 平和経済. 364号. 33-40 (1992)
-
[Publications] 住澤 博紀: "労働組合と政治ードイツを例として" 労働経済旬報. 45巻(1443号). 12-17 (1991)
-
[Publications] 住澤 博紀: "社会民主主義思想ー過去と現在" 社会思想史学会年報「社会思想1992年」. (1992)
-
[Publications] 大内 秀明: "世界と日本・新しい読み方" 講談社, 229 (1991)
-
[Publications] 大内 秀明,高木 郁朗,住澤 博紀: "転換と新しい構想 ヨ-ロッパの政権と労働組合" 第一書林, 219 (1992)