1991 Fiscal Year Annual Research Report
溶接変形および残留応力の発生源をもとにした新しい推定法と制御法の開発
Project/Area Number |
03302037
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 幸雄 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (30029037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中長 啓治 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (10112070)
村川 英一 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (60166270)
|
Keywords | 突合せ溶接 / 横収縮 / 会合法 / 初期応力 / 塑性歪み / 局部加熱 |
Research Abstract |
船体構造の建造の自動化を進めるに当って、重要な課題の一つに、長尺板継ぎの面内変形の制御がある。本年度は、板幅3M、板長10Mの軟鋼板の溶接板継ぎの変形挙動を明確にするために、理論解析による2次元シミュレ-ション用の計算機用プログラムを開発した。このプログラムを用いてシリ-ズ計算をし、下記の結果を得た。 1.突き合わせ溶接における面内横収縮の値は位置によって異なっている。収縮量は中央部より両端部の方が小さくなっている。しかし、その差は板の最外側ではかなり平均化されている。 2.横収縮の分布は残留塑性歪み及び残留応力から決まる。その中でも溶接線に垂直な方向の塑性歪みε^p_yが重要である。溶接線近傍の横収縮変位が塑性歪みε^p_yの積分値とよく一致している。また、板の全体横収縮の大部分が中央部の塑性歪みε^p_yから作られている。 3.溶接横収縮に対する仮付けの間隔及びタブの形式による拘束状態の強弱の影響は生産現場で使用される範囲ではそれほど大きく現れない。 4.溶接終端部付近を局部加熱することにより横収縮の分布がかなり変化するが、加熱位置による影響が大きい。また、会合法について、会合部で溶接線付近の収縮量が局部的に大きくなっているが溶接線から離れると共にその差が緩和されるので板の最外縁での全体横収縮がほぼ均一な分布になっている。 5.初期応力がある場合の溶接変形の一例として、終端部の仮付け及びエンドタブ板の仮付けによる溶接残留応力を考慮した計算を行なったところ、初期応力が横収縮に与える影響が大きいことが分かった。
|