1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03302054
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岩川 治 静岡大学, 農学部, 教授 (40024533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 邦彦 京都大学, 農学部, 助教授 (30026405)
山本 誠 高知大学, 農学部, 教授 (70036721)
藤井 禧雄 鳥取大学, 農学部, 教授 (00026634)
山崎 忠久 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40024567)
古谷 士郎 静岡大学, 農学部, 助教授 (10022063)
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Keywords | 林業労働 / 労働災害 / 労働安全 / 人間工学 |
Research Abstract |
この研究組織の最終ターゲットは、災害要因分析そのものではなく、労働災害を減らしていくことにどのような考え方、対策が要因分析を通して見通せるがということにあった。 災害事採に係わる資料の収集は、個人の神密に関係することで初年度は大変苦労したが、国有林を含めて災害事故の事例5,558件確保でき、災害要因の統計的分析にとって一応のレベルに達したものと解している。災害事故の内容を個々の要因(16)によって分類するとその項目は莫大な量となり、これらをコード化することにより分析がすすめられた。要因分析の結果から、新しい知見として得られたものを幾つか取り上げてみたい。1.現場労働者が高齢化してきており、50才台に災害例が多くなっているが、その就労者数の割合がらみると高齢者に多発するということは言えないことがわかった。しかし高齢者に任せる作業、その配置などについて共通の課題があることもわかった。2.1日の労働時間内で災害は午前11時頃、午後3時頃に最も多く発生していることがわかった。これは人間の1日の生体リズム(大脳活動レベル)と関係して災害の積極的防止に、人間側からの視点を入れることの必要性が示唆された。3.災害の多くは、道具作業、可搬式機械などによる低位の技術水準下で発生している。傾斜のある材然で、ナタ、鎌などの道具の使用や可搬式機械の操作は当然不安全労働になりやすいということが共通的にみられる認識であった。今の技術水準を変更しない限り、安全教育の徹底した繰り返しとその積み上げが災害防止に必要であることが確認された。4.技術をもう少し高いレベルに変更する場合、作業環境の改善が労働災害を著しく減らすし、同時にその技術による生産性の向上により労働者数を減らすことが可能であり、結果的に災害事例を減らすことに責献できるということも集約された。
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[Publications] 奥田 吉春,今冨 祐樹,岩川 治: "林業労働災課と労働安全に関する研究(I)国有林における災害分析" 日本林学会大会論文集(学会発表). 104. (1993)
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[Publications] 瀧本 義彦,山本 俊明,岩川 治: "林業労働安全に関する研究(II)全国大学演習林における災害分析" 日本林学会大会論文集(学会発表). 104. (1993)
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[Publications] 山崎 忠久,岩川 治: "林学労働災害と労働安全に関する研究(III)三重県の林業労働災害に関する要因分析" 日本林学会大会論文集(学会発表). 104. (1993)
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[Publications] 藤井 禧雄,岩川 治: "林業労働災課と労働安全に関する研究(IV)鳥取県の民有林における労働災害に関する要因分析" 日本林学会大会論文集(学会発表). 104. (1993)
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[Publications] 沼田 邦彦,岩川 治: "林業労働災害と労働安全に関する研究(V)京都府の民有林における労働災害に関する要因分析" 日本林学会大会論文集(学会発表). 104. (1993)
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[Publications] 山本 誠,岩川 治: "林業労働災害と労働安全に関する研究(VI)高知県の民有林における労働災害に関する要因分析" 日本林学会大会論文集(学会発表). 104. (1993)