1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03304035
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
稲田 哲雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50114038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 有聲 高エネルギー物理学研究所, 教授 (70013399)
丸橋 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (30114135)
辻井 博彦 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (50088853)
福本 貞義 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (90029637)
高田 義久 茨波大学, 物理工学系, 講師 (00134205)
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Keywords | 陽子線適応がん症例 / 治療専用陽子線施設 / コスト・ベネフィット評価 / 陽子シンクロトロン / サイクロトロン / ビ-ム取出し効率 / ガントリ / 大照射野形成 |
Research Abstract |
1.陽子線治療に適応するがん症例の検討 深部臓器がんについて、従来の放射線治療適応性の低かったものとして肝、食道、泌尿器(膀胱、腎、前立腺)、小児腫瘍など、手術不適症例として、頭頸部、肺、胃、直腸、子宮など、良性腫瘍として脳下垂体、動静脈奇形などが適応症例である。 2.今後我国で必要とされる治療専用陽子線施設数の検討 過去の放射線治療例数と前項の陽子線治療適応症例にもとづいて、2000年における陽子線治療適応症例数の予測を行った。これを絶対的適応と相対的適応に分別し、絶対的適応症例数の限っても、今後我国に10以上の陽子線治療施設を必要とすると判断された。 3.陽子線治療のコスト・ベネフィットの評価 化学療法や外科手術と比較して、陽子線治療に要する費用は安く、さらに入院期間の短縮やQOLの改善をベネフィットに評価する必要がある。 4.陽子線治療用サイクロトロンの評価 がん治療用陽子線の加速器として、従来第一候補であったシンクロトロンに代わって、新しいサイクロトロンが提案された。特徴は、高い磁場と特殊形状の磁石により加速器を小形化し、重量は従来の20%であり、病院内設置を容易にした。しかし、ビ-ム強度が小さく、エネルギ-は一定であり、ビ-ム取出し効率に改善の必要がある。 5.ガントリ-の開発 患者病巣を中心として回軽可能な照射系が考えられ、任意の角度からの照射を行う方式を導入することにした。問題は大照射野形成を行うためのビ-ムサイズの拡大に要する距離を短縮しうるかにあり、これを工夫して全システムを半径5mの回転系に収めるよう要求された。
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