1992 Fiscal Year Annual Research Report
異文化トレーニング:その原理的諸問題とプログラムの開発
Project/Area Number |
03401005
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岡 並木 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50213913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 聡 静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30240485)
大山 七穂 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (00213893)
石川 准 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (60192481)
富沢 寿勇 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (70180164)
西田 ひろ子 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (00218166)
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Keywords | 異文化トレーニング / 文化摩擦 / カルチャー・ショック / コミュニケーション・ギャップ / 異文化体験 / 異文化 |
Research Abstract |
昨年度に行った研究の結果を受けて、今年度は、日本で働く外国人が日本の社会・文化のなかでどのような文化摩擦・コミュニケーションギャップを感じているかを質問紙およびインタビューによる調査によって調べた。 質問紙調査は、関東地域の日本企業で働くホワイトカラー外国人社員約400名を対象にして、1992年8月から11月までの間に、郵送法のかたちで行われた。日本で働く米国ビジネスマンを対象にして昨年度に行った調査では、彼らが言語の障害を最も大きな問題として感じているという結果が得られた。しかし、今回の調査では、アジア系の外国人と欧米系の外国人を比較した場合に、アジア系の外国人のほうが日本語の運用能力は高いにもかかわらず、日本社会へのとけこみという点で、欧米系外国人のほうが日本社会によくとけこんでいるという結果が見られた。アジア系と欧米系との間に見られるこのような差が、どのような要因によるものなのかは、異文化への適応を考えるうえで重要な問題だと考えられる。目下のところこの点に関しては、分析の途上である。 インタビュー調査は、1992年11月下旬に、静岡県大東町で、日系ブラジル人労働者を中心とした外国人労働者を対象にして行われた。日本での生活に適応しようとする努力がかえって、日本人住民との間に葛藤を生んでしまっている例が見られるなど、外国人労働者と受け入れ企業や地域住民との間には、さまざまな点で意識のギャップが見られた。それらのギャップについて現在分析を継続している。 今後は、これらの調査における知見を利用して、異文化トレーニングプログラム開発の可能性を検討していくことになるだろう。
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