1992 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ヘテロ接合におけるバンド不連続量の人工的制御
Project/Area Number |
03402022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生駒 俊明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 敏夫 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90170513)
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Keywords | 半導体ヘテロ接合 / バンド不連続量 / 界面ダイポール / バンド構造の制御 / 光電子分光法 / 強結合法 |
Research Abstract |
GaAs1AlAsヘテロ界面にSi等の異種原子層を挿入してバンド不連続を制御するためには、挿入された原子の占める格子位置を精密に制御することが必要である。本研究においては、GaAs1Si1AlAs系におけるバンド不連続量の光電子分光法による測定、ならびに、挿入Si原子の生成する界面ダイポールの大きさ(バンド不連続の変化量)のセルフコンシステントな理論計算を行なった。次の結果が得られた。1.GaAs(100)面、Ga安定化(100)面、(110)面、及び(311)A面上に成長されたAlAs1SIlGaAs構造において、光電子分光法により測定されたバンド不連続量はSi層の膜層が増加するのにしたがって減少する。一方、理論計算によるダイポールはGa安定化面では(As安定化面とは逆に)バンド不連続を上昇させ、(110)面ではほとんどダイポールが生成されないことが予測されている。これは界面のSi原子が単にドナー不純物としてのみ寄与していることせ示す。2.さらに、Si原子が挿入された層に正確にドープできなかった場合をシミュレートして、GaAs上のAs面の半分、Ga面の全部そして界面のAs面の半分をSiで置換したヘテロ構造に生成される、Si原子によるダイポールの大きさが、Ga面とAs面を精密に占めた場合の約8分の1となることがわかった。これは、バンド不連続の制御のためにはSiの格子位置の制御が必要であることを示す。Siの格子位置を制御するため、成長条件によりp形及びn形に制御してSiドーピングを行なえるGaSs(311)A面の利用を試みた。GaAs(311)A面にSiドープp形GaAs,Si8ドーピング(恐らくn形)及びAlAsをMBE成長し、バンド不連続の変化を調べた。これによりバンド不連続の制御を最大0.2eV実現できたが、p形とn形の割合によってはバンド曲がりを抑さえられず、両者のドーピング密度の調節が重要であることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Hoshimoto,G.Tanaka,K.Hirakawa,and T.Ikoma: "Rde of ultrathin silayer in GaAs/Si/AlAs heterostructure" Proc,21st International Conference on Physics of Semiconductors(to be published).
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[Publications] Y.Hashimoto,T.Saito,K.Hirakawa,and T.Ikoma: "Rdes of ultrathin Silayer inserted at GaAs/AlAs heterointerface" Proc.19th Jnternational Symposium on GaAs and Rolated Compounds(to be published).
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[Publications] K.Hirakawa,Y.Hashimoto,and T.Ikoma: "Transient of microscopic valence-charge distribution and electrostaticpotential at GaAs/AlAs heterointerfaces." Surface Science. 267. 166-170 (1992)
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[Publications] T.Saito and T.Ikoma: "Self-Consistent tight birding calculation of band discontinuity in GaAs/AlAs superlattices contrdlod by group IV-element byers" Suparlattices and Microstructures. 12. 81-84 (1992)
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[Publications] 斎藤 敏夫,橋本 佳男,生駒 俊明: "Si原子層を有するGaAs/AlAs超格子のバンド不連続量の面方位依存性" 信学技報. ED-92. 49-54 (1992)
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[Publications] T.Saito and T.Ikoma: "Rde of interface stater in band structures of short-period (GaAs)n/(Ge2)n[001]superlattices under a zero-field model" Physical Review B. 45. 1762-1769 (1992)