1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03402039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 宏一郎 東京大学, 工学部, 教授 (90010694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 徳昭 東京大学, 工学部, 助手 (80010891)
鈴木 英之 東京大学, 工学部, 助教授 (00196859)
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Keywords | 海洋空間利用 / 浮体 / 係留構造 / テンションレグ / 構造計画法 / 海上空港 / 海洋ステーション / 有人海底基地 |
Research Abstract |
1.海洋空間利用構造体の一般的構造計画法の開発 浮体の使用目的によって必要とされる機能、規模および設置海域の水深に対する浮体の種類(構造形式)の概括的な適性を考察した。一方、このような浮体を海域に碇着させるための係留法に関し、それに必要とされる機能と水深によって、各種の係留構造の特性に関する考察のもとに定性的に分類を行った。これらは来年度、出来るだけ定量化し、必要とされる機能、規模、設置海域の水深、さらに、これらに加え海底地形・地質、海・気象、離岸距離等の条件に適合する浮体と係留法の組合せの決定のための基礎資料となるべきものである。 2.特定目的のための構造体の計画 社会的ニーズが高いと判断される海上空港と海洋ステーションの計画を行った。前者は太平洋沿岸の開放海域の1つの典型例として設定された水深(70m)と海・気象に対し、長さ2200m、巾320mの半潜水式の構造体による中規模浮体式空港を扱った。ここでは、浮体として甲板構造を多数の小径コラム(直径5m)とロワーハルで支持する形式とし、これを16本のテンションレグ(直径5m)により海底基礎構造を介して海底に接続する係留法を採用した。後者は、具体的に相模湾の三崎沖の水深400mの三崎堆を設置海域として選定し、海洋観測・計測、海底観測、深海工学および海洋レクリーエション・トレーニングを行う複合基地である。最大径240mの6角形平面形状の半潜水式構造を36本のテンションレグにより海底の基礎に接続される。この基礎は観測・実験用施設と構造的に一体化され、有人海底基地を構成する。 3.条約・法規および環境影響評価のための文献調査 国連環境開発会議関係資料、海洋環境シミュレーション関連の文献、テキストを手に入れ、その概要を把握した。これらは、来年度、さらに調査が拡大されるとともに内容の充実が図られるべきものである。
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[Publications] 吉田,有馬,鈴木裕,岡: "中水深域空間利用構造体の開発(その2)-碇着免震システムの開発と構造体の最適化" 日本造船学会論文集. 170. 619-629 (1991)
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[Publications] 吉田,鈴木英,鈴木裕,岡,中居,菅又: "中水深域空間利用構造体の開発(その3)-免震システムの設計と機能評価" 日本造船学会論文集. 172. 529-538 (1992)
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[Publications] 岡田,中村,小林,吉田: "多数の浮体からなる巨大構造物の研究" 第12回海洋工学シンポジウム論文集(日本造船学会). 113-118 (1994)
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[Publications] 吉田宏一郎: "海洋空間利用における構造工学的課題" 第11回海洋工学シンポジウム論文集(日本造船学会). 119-128 (1992)
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[Publications] 吉田,呉,小林,鈴木裕: "複数浮体からなる構造物に働く波強制力および波浪応答に関する研究" 日本造船学会論文集. 172. 69-80 (1992)