1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03402048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田渕 俊雄 東京大学, 農学部, 教授 (00011833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 達夫 東京大学, 農学部, 助手 (40238738)
吉野 邦彦 東京大学, 農学部, 助手 (60182804)
山路 永司 東京大学, 農学部, 助教授 (10143405)
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Keywords | 水質保全 / 農林地 / 集水域 / 窒素 / リモートセンシング / 自然浄化 |
Research Abstract |
1.リモートセンシングによる集水域水質解析 北海道釧路地域の水質測定を昨年に引き続き行い、さらに根釧地域と帯広地域の水質についても調査した。これら3地域はそれぞれ森林卓越低水質汚濁地域、山林・牧野中水質汚濁地域、畜産畑地高水質汚濁地域と予想される地域である。国土数値情報・衛星リモートセンシングデータから各水質測定点に対応した集水域内の土地利用面積率を求め硝酸態窒素濃度との間で、単回帰分析を行い相関係数0.90という高い正の相関が得られた。この結果をもとにモデルを作成中である。 2.集水域からの流出水の水質調査と解析 上記の北海道3地区の他に、茨城県北浦周辺地域、千葉県千潟町、長崎県諌早湾周辺地域、宮古島、宮崎県綾町などの集水域において、窒素濃度と流出負荷量を測定し、その土地利用状況と畜産負荷との関連を調査した。その結果、多肥の畑地の影響が大きいことと、さらに多頭飼育の養豚場の影響がより一層大きいことが判明した。今後はこれらへの対策を立てることが重要である。 3.休耕田の水質浄化機能調査 茨城県阿見町の休耕田において窒素除去の自然浄化能調査を昨年に続けて継続した。水稲区、雑草区、無植生区、クレソン区とも昨年以上の大きな窒素除去機能を示し、除去機能が永続性をもつことが確かめられた。3年目も継続して調査を行う予定である。 4.土壌浸透水質実験 室内の恒温条件下において水田土壌を充填したサンプラーにNH_4溶液を浸透させ、土壌のNH_4吸着除去能を調べた。NH_4濃度や浸透速度が大きな影響をもつことを確認し、その理論化を進めている段階である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田渕 俊雄: "農業集水域における水質測定の回数と平均値の精度" 農業土木学会論文集. 160. 71-72 (1992)
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[Publications] 田渕 俊雄: "農地・農村と国土・環境保全" 農村計画学会誌. 11. 54-59 (1992)
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[Publications] 石川 雅也,田渕 俊雄,山路 永司,中島 淳: "暗渠浸透による水田の水質浄化試験" 農業土木学会論文集. 159. 81-90 (1992)
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[Publications] 石川 雅也,田渕 俊雄,山路 永司,中島 淳: "用水濃度と浸透量が水質浄化と水稲生育に与える影響" 農業土木学会論文集. 159. 91-100 (1992)
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[Publications] 吉野 邦彦,山路 永司: "画像データの位置合わせ精度が土地破覆分類精度に及ぼす影響" 農業土木学会論文集. 162. 23-34 (1992)