1991 Fiscal Year Annual Research Report
特異機能を発現する複素多環系の分子設計に関する研究
Project/Area Number |
03403016
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大城 芳樹 大阪大学, 工学部, 教授 (70028984)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助手 (30184659)
小松 満男 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029197)
|
Keywords | 複素多環化合物 / 多官能化 / 縮合環形成反応 / 生理活性 / 補酵素 / 複素多環系キノン / 酸化還元酵素 |
Research Abstract |
本年度は本研究の基礎となる新規官能基導入法の開発、縮合環形成反応の開拓、多環化合物の多官能化などを重点的に展開するとともに、今後の分子設計に資するため機能についても検討を加えた。得られた主な成果は次の通りである。 1.エチニルピリジンの酸化によりオキサゾロピリジニウム塩が生成すること、およびこの塩を中間体とする効率的なピリジン骨格への位置選択的ヘテロ原子置換基の導入法を明らかにした。 2.シリル基の転位を活用する1,3ー双極子中間体のシクロ付加による縮環系複素環合成法を見出した.また、ジアジリジノンとピロ-ルアルデヒドの反応を基礎とするピロ-ル縮環系複素環合成法を開発した。 3.アザインド-ルの分子間相互作用などの基礎的物理化学的性質を解明するとともに.アザインド-ル骨格への種々の官能基導入法を確立した。とくに位置選択的ハロゲン化はさらに化学変換に応用可能である。 4.官能化アザインド-ルをはじめ、種々の複素多環系化合物の生理活性スクリ-ニングを行ない、農薬活性を示すものを見出した。 5.新規補酵素PQQ(ピロロキノリンキノン)の化学的機能や生理活性相関を解明するためベンゾインド-ルキノンおよびベンゾキノリンキノンの誘導体を設計し、それらの簡便な合成ル-トを確立することに成功した。 6.上で合成した複素多環系キノン誘導体の物性や化学的性質について詳細に検討し、補酵素PQQの化学的機能(主に酸化還元機能)に及ぼす置換基やピリジン環およびピロ-ル環の役割を解明した。 7.複素多環系キノン類の電子伝達機能を利用した有機溶媒中における新規複合酵素反応系を開発し、有機合成化学における新手法としての応用面について検討を加えた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Ohshiro et al.: "Regioselective Functionalization of 1HーPyrrolo[2,3ーb]ーpyridine via Its Nーoxide" Synthesis. (1992)
-
[Publications] Y.Ohshiro et al.: "Novel Synthesis of FiveーMembered Heterocycles by Cycloaddition of Azomethine Ylides Generated from Nー(Silylmethyl)imines by Silicon Shift"
-
[Publications] Y.Ohshiro et al.: "Oxidation of 2ーEthynylpyridines:A Facile Synthesis of Heyerosubstituted Phenacylpyridines Mediated by Isoxazolopyridinium Salt"
-
[Publications] Y.Ohshirl et al.: "Synthesis and Characterization of the Model Compound of Active Site Cofactor,TTQ(Tryptophan Tryptophylquinone),of Bacterial Methylamine Dehydrogenases"