1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03403021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市原 耿民 北海道大学, 農学部, 教授 (20000820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博二 北海道大学, 農学部・附属農場, 助教授 (20002074)
田原 哲士 北海道大学, 農学部, 助教授 (50001475)
吉原 照彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (90002071)
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Keywords | 植物毒性物質 / 植物病原菌 / 植物防御物質 / ストレス化合物 |
Research Abstract |
防除法の発達した現在においても、植物病害は猛威をふるい、能作物に被害を与える。この場面で植物病原菌は毒素等を生産し宿主を倒すが、宿主である植物側もファイトアレキシン等の抗菌物質を産生し防御している。本研究課題はこれらの相互作用物質に着目し、年限内にそれらの化学構造、作用機作、防御機構を明らかにすることを目的としている。現在まで以下の結果を得た。 1.バレイショ夏疫病菌より単離されていた植物毒素アルタナル酸の立体化学を合成化学的に決定した後、この植物毒素の全合成を完成した。この過程で3-アシル-4-ヒドロキシ-2-ピロン類の改良合成法を開発し、多数の関連化合物を合成した。同菌よりアルタナル酸の新規関連化合物を5種単離し、それらの立体化学を含む構造を確定した。 2.さくら胴枯病菌から植物毒性を示す新規化合物を得て、これらの構造を決定した。マメ科植物から2種のストレス化合物を得て、その構造を確定した。 3.バラ科、アヤメ科、アカザ科、マメ科に属する数種の植物よりカテキン、テルペン、イソフラボン、クマロノクロモンなどのストレス化合物を多数単離しそれらの構造を確定した。 4.二・三の樹木病原菌を対象に植物毒性物質の単離を行い、アカマツ青変病菌から伸長阻害活性を有する(+)-(5R)-3-ヒドロキシ-5-テトラデカノライド、ヒノキ漏脂病菌からヒノキ鱗片葉に脱離活性を有するアプシステロールを単離し、これらの構造を確定した。 5.トマトの宿主特異的毒素AAL-toxinの全立体構造を合成化学的手法により確定した。
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[Publications] H.Tabuchi: "Stereochemistry of Alternaric Acid" Tetrahedron Letters. 33. 4933-4936 (1992)
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[Publications] H.Tabuchi: "Total Synthyesis of Alternaric Acid" Tetrahedron Letters. 34. 2327-2330 (1993)
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[Publications] H.Tabuchi: "Structures and Stereochemistries of New Compounds Related to Alternaric Acid" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I. 125-133 (1994)
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[Publications] Y.Jiao: "Two Phenolic Compounds from Valsa ambiens" Biosci.Biotech.Biochem.58. 784-785 (1994)
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[Publications] Y.Hashidoko: "Six Sesquiterpenoids from Glandular Trichome Exudates of Rosa rugosa" Phytochemistry. 35. 325-329 (1994)
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[Publications] H.Yada: "New Aliphatic δ-Lactones,Metabolites of Ceratocystis piceae" Natural Products Letters. 2. 221-226 (1993)