1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03403022
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
渡邉 武 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 信明 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (40114912)
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70092591)
山口 勝己 東京大学, 農学部, 教授 (50011896)
小泉 千秋 東京水産大学, 水産学部, 教授 (80017045)
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Keywords | 飼料 / エクストルーダー / ブリ / マダイ / シマアジ / 食味 |
Research Abstract |
平成5年度は、筆者らが開発に成功したブリ用のソフトドライペレット(SDP)の不飽和度と生体内脂質過酸化との関連を調べた。SDPは従来の固形飼料に比べて脂質含量が高いため飼料中の不飽和度が高く、SDPを摂餌したブリが、生体内脂質過酸化を受けやすくなるかどうかは、SDPの性能と関連して健康な魚ずくりの上でも重要な課題となる。そこで魚油とパーム油を組み合わせて不飽和度を調整した5種類のSDPでブリ稚魚を飼育し、試験魚の生体内脂質過酸化の進行程度、組織のビタミンE含量、成長に対する影響、血液および脂質の性状などを、飼料の不飽和度レベルとの関連から調べた。 成長、飼料効率および飼料の摂餌性には飼料中の不飽和度との明確な相関は今回の実験条件下では認められなかった。普通筋の脂質含量および高度不飽和酸の割合は不飽和度の高い試験区で高く、その結果不飽和度指数も同じ傾向を示した。筋肉のTBA値も飼料の不飽和レベルの影響を受けて、不飽和度指数の高い区ほど高い値となった。肝臓においても筋肉の場合とほぼ同様の傾向がみられた。ビタミンE含量は、筋肉では試験区間で傾向はみられなかったが、肝臓では飼料の脂質含量および不飽和度の低い区で高い値が測定された。なお、ビタミンCとの相関はみられなかった。Cu、Zn-superoxide dismutase活性は、飼料の不飽和度と反比例していた。今回の試験では、あまり明確な結論は出せなかったが、飼料の不飽和度と生体内脂質過酸化との関連が示唆されたので、さらに検討する必要があることがわかった。
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[Publications] 渡邉 武: "新型ソフトドライペレットによるブリ幼魚および成魚の飼育試験" 東京水産大学研究報告. 80. 1-17 (1993)
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[Publications] 渡邉 武: "新型ソフトドライペレットによる養殖シマアジの肉質改善" 東京水産大学研究報告. 80. 19-29 (1993)
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[Publications] 渡邉 武: "海水魚用ドライペレットの開発の現状と課題" 養殖. 29(8). 68-79 (1992)