1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03404007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀江 武 京都大学, 農学部, 教授 (90181528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 勤 京都大学, 農学部, 助手 (70238939)
中川 博視 京都大学, 農学部, 助手 (90207738)
大西 政夫 京都大学, 農学部, 助手 (80185339)
井上 直人 京都大学, 農学部, 講師 (80232544)
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Keywords | 水稲 / 発育 / 光合成 / 窒素 / 頴花数 / 水温 / モデル / 予測 |
Research Abstract |
1.既往の研究データの収集・整理およびデータベースの構築 気象、窒素および水分条件と水稲の発育、光合成・物質生産、養分吸収、器官形成と発達および登熟過程の関係についての既往の情報を収集・整理し、データベース化を進めた。今年度は特に、水稲の発育と水温との関係について、全国から収集したデータの解析を行い、気象から水温を推定し、その水温を用いて幼穂分化期までの発育過程を予測するサブモデルを開発した。これによって水稲の幼穂分化までの発育をより高精度に予測することが可能になった。 2.圃場実験によるデータの収集と解析 環境条件の大きく異なる、京都、長野県上伊那郡およびオーストラリア国ニューサウスウェルズ州立農業試験場の各圃場に作期と施肥レベルを異にして、「日本晴」と「コシヒカリ」を栽培して得た、収量レベルが5から12t/haと大きく異なる水稲について、生理・生態的諸特性と環境との関係を調査した。得られたデータの解析に基づいて、次のサブモデルを導いた。 (1)葉身光合成速度(P)は窒素濃度と発育ステージによって大きく変化するが、Pと葉身N濃度および発育指数との関係を表す数学モデルを導き、それによって両者の関係がかなりよく説明できることを示した。 (2)水稲の単位土地面積当り頴花数が幼穂分化期の窒素保有量と、幼穂分化から頴花分化期の稲体窒素濃度の変化の2つの要因に支配されていることを明らかにし、これら2要因から頴花数を予測するサブモデルを導いた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Taleshi,HORIE: "Yield Forecasting" Agricultural systems. 40. 211-236 (1992)
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[Publications] 堀江 武: "温室効果による気候変動と作物生産への影響" 農業および園芸. 68. 258-263 (1993)
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[Publications] 須藤 健一: "水稲発育動態モデルによる酒米品種「山田錦」の出穂期予測" 近畿作物育種研究. 37. 12-15 (1992)
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[Publications] 俣野 敏子: "水稲多収穫栽培の実態" 信州大学農学部農場報告. No.6. 137-153 (1992)
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[Publications] 長谷川 利拡: "水稲の生育・生産過程におよぼす窒素栄養の影響に関する研究(4)葉身の窒素レベルと光合成速度" 日本作物学会紀事. 61(別2). 25-26 (1992)
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[Publications] 小林 和広: "水稲の頴花退化過程に根の活性が関与している可能性について" 日本作物学会紀事. 61(別1). 250-251 (1992)