1992 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯熱マラリヤ原虫47KDタンパクの遺伝子解析と免疫学的機能に関する研究
Project/Area Number |
03404024
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 守 群馬大学, 医学部, 教授 (60056033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 重孝 日本モンキーセンター, 園長 (40072673)
狩野 繁之 群馬大学, 医学部, 助手 (60233912)
脇 誠治 群馬大学, 医学部, 助教授 (10056286)
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Keywords | 熱帯熱マラリア原虫 / 遺伝子解析 / 免疫学 / 分子生物学 / マラリア |
Research Abstract |
1)用意された熱帯熱マラリア原虫cDNAライブラリーから標的としている47kD蛋白に対応するクローンをモノクローナル抗体により選別し、塩基配列を解読する作業を進めた。作業が進むと、予想に反して得られた分子量は47kDよりはるかに大きな数値となり、その一部は、ヒト由来の遺伝子配列と完全に一致した。この事実から、クローン化したcDNAに、ヒトの遺伝子がとりこまれていることが判明した訳であるが、その機作は不明である。この結果は、人口産物によるものと考えられるが、マラリア原虫が積極的にヒトの遺伝子を取り込み、自己の遺伝子の一部に組込んでいる可能性も考えておかなければならない。いずれにせよ、この結果の追求は、平成5年度の重要な検討課題である。 2)マラリア原虫を大量培養し、破砕して得た溶化性成分をHPLCによりSephadex G-200を通して分子量に従い分画した。分画された蛋白と用意された47kDに対するモノクローナル抗体とを反応させてみると、必ずしも47kDに相当する分画が反応する訳ではないことも見出された。別に培養した原虫を大量に用意し、47kD蛋白を2次元電気球動法によって純化分析し、問題としている分子の等電点を知るための作業も合せて進めた。 3)フィリピンで、野外調査を行いマラリア患者の血清を得て、47kD蛋白との反応性をウェスタンブトット法により調べたところ、急性発症している患者血清は、47kD蛋白を強く提示し慢性マラリアの患者血清は、たとえ原虫血症が認められた場合でも、47kD蛋白とは反応しない事実が見出された。この結果は、47kD蛋白の免疫学意味をさらに確認する上で重要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Waki,S.Uehara,K.Kanabe,K.Ono,M.Suzuki,H.Nariuchi: "The role of T cells in pathogenisis and protective immunity to murine malaria" Immunology. 75. 646-651 (1992)
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[Publications] K.Sato,Y.Nagai,M.Suzuki: "Purification and partial characterization of an acid proteinase from Dirofilaria immitis" Molecular and Biochemical Parasitogy. (1993)
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[Publications] S.Kawai,M.Aikawa,S.Kano,M.Suzuki: "A Primato Model for Human Severe Malaria:Plasmodium coatneyi-infected Macaca fuscata" Am.J.Trop.Med.Hyg.(1993)
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[Publications] 狩野 繁之,鈴木 守: "カンボジア国内UNTAC職員のためのマラリアに関する指針-薬剤耐性熱帯熱マラリア流行地対策の1例として-" 熱帯. 25. 223-227 (1992)
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[Publications] 狩野 繁之,鈴木 守: "マラリアDNA診断法の進歩と利点" 日本臨床. 50. 458-463 (1992)
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[Publications] 淀縄 聡,川合 覚,狩野 繁之,鈴木 守,他: "ハロファントリンにより治癒した輸入三日熱マラリアの1例" 日本熱帯医学会雑誌. 20. 299-303 (1992)