1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03451008
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Research Institution | HOUSEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
濱田 義文 法政大学, 文学部, 教授 (90060938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 賢介 法政大学, 第一教養部, 助教授 (10152620)
星野 勉 法政大学, 文学部, 教授 (90114636)
牧野 英二 法政大学, 文学部, 教授 (70165679)
原田 煕史 法政大学, 第二教養部, 教授 (20095433)
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Keywords | 和辻哲郎 / 倫理学 / 日本と西洋の比較思想 / 人間と思想 |
Research Abstract |
2年間の研究の第2年目にあたる本年度は、前年度に引き続いて、法政大学所蔵和辻哲郎文庫の蔵書内容について詳細な調査を行ない、すべてを完了した。調査対象の内には、平成3年12月、和辻家より追加寄贈された分、1556冊も含まれる。前年度同様、蔵書中の書き込みの重要な箇所を、重要度をA、B、C、の3段階に区分して、マイクロフィッシュに収録した。前年度分をも含むその總結果は次のごとくである。 蔵書總数(雑誌を除く)、和書4197冊、洋書1523冊。マイクロフィッシュ収録書数、和書A43、B213、C398冊、洋書 A39、B152、C317冊。 この基礎的作業を終了したのち、各研究分担者は、そこからえられた知見をもとに、「和辻哲郎の思想と学問」の根本特徴の新しい解明という共通の研究課題について、夫々の関心と角度から新しい光を投じるよう研究を遂行した。その過程で各自の研究を持ち寄り、相互に検討した。こうして出来上ったのが、研究成果報告書中の5論文である。 それらの論文は、和辻哲郎の思想形成の初期段階から、昭和10年代の和辻倫理学の思索、特に人倫的組織についての思索をへて、戦後の昭和20年代の歴史哲学的思索に至るまでの時期に広がっている。内容面からみると、和辻の実存思想との関わりや、日本の伝統芸術への傾倒、『日本古代文化』の研究、そしてカント、ヘーゲルの研究、さらにヘルダーとの取り組みや未開社会への関心など、様々の問題を扱っている。多岐にわたるが、網羅的ではないし、今後のさらなる研究のための第一着手にすぎない。しかしそれらは将来、和辻思想の新しい活力にみちた全体像を作り上げるための手がかりを与えるものとなることを、目指している。
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[Publications] 濱田 義文: "和辻哲郎の思想世界" 和辻哲郎の思想と学問に関する基礎的研究. (1993)
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[Publications] 原田 煕史: "和辻美学:劇的原型と求道" 和辻哲郎の思想と学問に関する基礎的研究. (1993)
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[Publications] 牧野 英二: "和辻哲郎のカント観" カント研究会報第2号. (1992)
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[Publications] 牧野 英二: "若き和辻哲郎の思想形成" 和辻哲郎の思想と学問に関する基礎的研究. (1993)
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[Publications] 星野 勉: "和辻哲郎とヘーゲルの「家族」論の比較研究" 和辻哲郎の思想と学問に関する基礎的研究. (1993)
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[Publications] 笠原 賢介: "和辻哲郎とヘルダー" 和辻哲郎の思想と学問に関する基礎的研究. (1993)