1992 Fiscal Year Annual Research Report
現代地方都市の社会構造と変動過程の生活者的視点からの調査研究
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03451031
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大坪 省三 東洋大学, 社会学部, 教授 (00090671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箙 光夫 千葉明徳短期大学, 助教授 (30133581)
池田 正敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (30103568)
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Keywords | 地域社会 / 地域社会構造 / 地域社会変化 / 地域集団 / 社会的ネットワーク / 地域問題 / 生活変革 |
Research Abstract |
本年度現地調査は諌早に箙と大坪が短期間、帯広に大坪がいくらか長期に赴いた。欲張った研究テーマに対して何とか時間を割いて取り組んだ。 諌早について大坪は当地の地域問題の一つである旧南総計画・現諌干事業(諌早湾の干潟を含め広大な海面を埋め立てる計画、着手済み)の企画段階(昭和20年代後半〜30年代前半)について引き続き資料収集を進めた。箙は同市における農業部門の動きを跡付けているが、農産物の需要が変化し、農業生産形態の変革がなされざるを得ない状況の中で、それへの対応が少なくとも二通りあることを看て取っている。そうした中で旧南総計画は現実対応がすでにはずれているにも抱わらず事業進行中であり、地域問題であり続けている。また諌早の社会構造に多少の変動が生じていることも看取されている。 帯広については、特定の地域問題から切り込むという手法ではなく、まず、都市社会としての帯広市の社会構造を描き出すことに大坪は務めている。まだはっきりとその構造を把握したとは言えないが、すでに政治、行政、商工業、商店街、農林漁業、教育、宗教、医療保健、福祉、文化、スポーツ、町内会、同年会同郷会同窓会、防犯防災等々の諸分野における種々の集団・組織の洗い出しを8分方終え、それら諸団体の役員構成や活動内容等から、当市の社会構造への骨組みのいくらかが姿を見せてきている。そして、その中に今日的な種々の社会変動が具象している。次年度初めに向けて、これまでに収集したデータの中から読み取ることができるものを煮つめようとしている。 このように、わが国の地方都市における社会構造と変動過程をヨコ糸タテ糸として何らかの布地を織り出そうとしている。一歩二歩と確かな手応えを感じ始めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大坪 省三: "戦後日本地域問題史考" 東洋大学社会学部紀要. 30-3. (1993)
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[Publications] 泉田 渡編: "現代社会学の視座" 人間の科学社, 266 (1992)