1992 Fiscal Year Annual Research Report
ライフコースアプローチに基づく教師の職能成長と地域ネットワークづくりに関する研究
Project/Area Number |
03451043
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 敬 静岡大学, 教育学部, 教授 (40021894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅沢 収 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90223601)
山崎 準二 静岡大学, 教育学部, 助教授 (50144051)
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Keywords | 教師 / 職能成長 / ライフコース |
Research Abstract |
研究2年目は、1年目に実施した「教師のライフコース」インタヴュー調査結果を踏まえて、自己記入形式の質問紙を作製し、郵送法によるアンケート調査を実施した。今回の調査の目的は、志太地域の小・中学校に勤務する現職教師が自からのライフコースの過程で力量を獲得し、教師の職能成長を果たすに至った契機に着目し把握することと、彼らが志太地域という場をどのように意識し捉えているのかということの解明、その2つであった。 調査対象者は、志太地域の小・中学校の現職教師574名を無作為で抽出し(抽出率=約30%)、アンケート用紙を郵送したが、回答を寄せてくれた者は296名、回収率は51.6%であった。実施時期は1992年12月〜1月にかけてであった。 回答者の属性構成は、全体のおよそ7割が調査の勤務校と同じ志太地域の出身であること、また全体のおよそ5割が地元国立大学静岡大学教育学部の出身であることが特徴的であった。そのことが反映してか、志太の地域とそこでの教育については、比較的高い肯定的評価をくだしている点が着目される。学校は比較的自由・のびやかであり、同僚や父母の教育関心も高いし、教育の伝統が感じられるとの反応であった。 職能成長を果たすに至った契機に関しては、従来の同様の調査結果を裏付けるような傾向もみられるが、職能成長にとって学校における教職員間の雰囲気や力量ある教師の存在がとりわけ重要であることの指摘、力量を獲得する場としては「全く自主的な研究会・サークル活動」の重要さの指摘が一層強い傾向にある。しかし、志太地域においても、学校内における世代間のコミニュケーシュンの後退や若手世代の研究会・サークル活動離れなどの傾向も窺われた。今後のネットワークづくりに、検討課題を投げかけている結果であった。
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Research Products
(2 results)