1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03451078
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
加藤 幸三郎 専修大学, 経済学部, 教授 (90083477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 晃正 専修大学, 商学部, 助教授 (40177738)
泉 武夫 専修大学, 経済学部, 教授 (30083520)
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Keywords | 紡績 / 「革新紡」 / 機業 / 電子制御 / 下請 / 系列化 / 繊維機械 |
Research Abstract |
一年間、四回の実態調査を通じて収集された諸資料の検討や研究組織内での討論・意見交換によって以下の点につき要約を試みたい。 1)戦時〜戦後(特に占領期をも通じ)の繊維産業の再建過程の中で、巨大紡=東洋紡と「新々紡」=都築紡との再建・展開の対比を通じて、新しい生産力基盤をいかにして造出するか、特にME化の問題が構造改善事業とも絡み合いながら極めて至要な位置にある事が痛感された。 2)この点は、村田・津田駒両繊維機械メ-カ-の実況・動態にも具現されているように電子制御が基本問題となっているのであって、この点は対欧米のみならず、対アジアについても重要な課題たり続けるだろう。 3)これをうけ、かつ規制された形で、福井輸出織物地帯や「西陣(室町)」の配下にる丹後機業および桐生機業でも大きな変容を余儀なくされており、むしろ「総合商社」の下請・系列化の中での存続という緊要な事態にも通じている。「革新紡」に表現される原料糸生産の動向・展開との関連こそが至要命題たらざるをえないのである。 4)かかる点はまだ、旧久留米機業の変型たる「ハン天」生産の場合も全く同様であって、電子制御化の進展の中で逆に「過剰生産」に当面せざるをえない現状もまた無視できない。 以上の試論的要約に大過なしとすれば、今後の課題は如上の論点の深化ないしは、論証の追加が次年度以降での中心となろう。
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[Publications] 川村 晃正: "「明治初年生絹織産地における社会的分業の展開について」" 「専修大学商学研究所報」. 第83号. 1-52 (1991)
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[Publications] 川村 晃正: "「繊物産地の抱える諸問題」" 「専修大学商学研究所年報」. 第17号. (1992)
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[Publications] 三輪 芳郎編(泉 武夫): "「現代日本の産業構造」(「繊維工業」)" 青木書店, 304(204-237) (1991)