1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452020
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蓑輪 眞 東京大学, 理学部, 助教授 (90126178)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 隆行 東京大学, 理学部, 助手 (80202414)
|
Keywords | 暗黒物質 / シンチレ-タ / 低温 / 二重ベ-タ崩壊 / シリコンフォトダイオ-ド / モリブデン配鉛 / 液体窒素温度 / ド-プ |
Research Abstract |
無機結晶(大きさφ20mm×10mmまたは20mm×20mm×20mm)を、液体窒素温度まで冷却する装置を製作した。この装置では石英ライトガイドを使用して常温部にある石英窓の光電子増倍管に光を導いた。 まず、ド-プしてない純粋のCsIに ^<60>Coなどのγ線を照射して測定を行った。この測定により、実際に液体窒素温度では単位入射エネルギ-当りの発生光電子数はNaI(Tl)の常温に置ける値のほぼ2倍であることを確認した。 次に、二重ベ-タ崩壊用のモリブデン化合物としてPbMoO_4の結晶を用いて同じ測定を行った。この結果、常温では全くシンチレ-ション光を発しないにもかかわらず温度を下げるにしたがってシンチレ-ション光の増加が顕著にみられ、絶対温度100K以下では、光電子増倍管で得られる光電子数が常温におけるNaI(TI)の16%にも達することが明らかになった。またこの温度では、シンチレ-ション光の減衰時定数が長くなり、11μsecになった。このことからこの物質が二重ベ-タ崩壊実験に非常に有用であることが示された。この結果は論文にまとめられ専門学術雑誌に投稿中である。この物質の発するシンチレ-ション光の波長は光電子増倍管の感度のピ-クよりも長いと考えられるので、現在シリコンフォトダイオ-ドを用いてさらに多くの光電子を得、エネルギ-分解能を向上させることを試みている。 次に暗黒物質検出のためのフツ化物結晶を各種試みた。その結果今までのところ、液体窒素温度ではシンチレ-ション光が顕著に増加する物は見いだされていない。今後ひき続き他の物質を試みると共に液体ヘリウムを用いてもっと低温での特性を調べる予定である。
|
Research Products
(1 results)