1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452054
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001846)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 哲 東北大学, 理学部, 助手 (70181849)
大島 弘光 北海道大学, 理学部, 助手 (10213703)
|
Keywords | 島弧接合部 / 地殼変動 / テクトニクス / GPS干観測位 / 千島弧 / 東北日本弧 / 北海道の西進 / 日高山脈 |
Research Abstract |
千島弧と東北日本弧接合部の地殼変動を、GPS観測により直接的に明らかにするために、北海道側に設置した札幌、上の国、えりも、帯広観測点と東北日本に設置した弘前、階上観測点において反復測定を実施した。この研究の開始前からのデータのある、札幌に対する帯広、えりもの3.5年間の変動によれば、それぞれ8mm/y、4mm/yで北西へ変位し、10mm/yの沈下していることが確かめられた。これは、北海道の西進、それに伴う東側の沈降を意味している。もしも、これが現在の日高山脈の変動を示す(支配する)ものかどうかは、日高山脈のテクトニクスに重要な意味を持つ。そこで、北海道の西進と島弧系接合部の変動が、日高山脈の現在(あるいは、過去から引きずっている)の変動とどのように関連しているかを明らかにする必要がでてきた。その目的で日高山脈を囲む観測網(帯広、忠類、広尾、えりも、上杵臼、静内)と日高山脈の上下運動検出のために横断する観測線(静内、御園、高見ダム、シベチャリ沢、中札内川上流、豊頃)を新設し、6月と12月の2回の測定を行なった。 帯広、えりも以外の観測点については、1.5年間のデータが蓄積された。その結果100kmから400kmの測線長に対して、長期再現性は、2.5×10^<-7>の精度を維持している。しかしながら、トレンドを議論するには、もう1年間のデータの蓄積が必要である。4月から入手できるようになった国土地理院の精密歴の利用を一部試みた結果、短期再現性は改善された。また、比較的精度よく求まる緯度成分の変動には明らかに季節変動が見られた。これは、対流圏遅延によるものであり、気象庁の格子点データを基に、その補正式の確立に着手した。
|