1991 Fiscal Year Annual Research Report
各種セラミックス材料の繰返し応力負荷による強度低下とその機構
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03452101
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大塚 昭夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60022993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 哲也 名古屋大学, 工学部, 助手 (00216805)
宮田 隆司 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023228)
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Keywords | 窒化けい素 / アルミナ / き裂進展 / 繰返し応力 / R曲線 / KーV特性 |
Research Abstract |
セラミックスにおける裂進展特性は,応力拡大係数“K"とき裂進展速度“V"との関係,KーV特性,およびき裂進展に伴うき裂進展低抗“R"の増大を表す,R曲線,とによって表されるのが普通である.しかし,実際はこの両者は関連しており,KーV特性はき裂伸展長さ“a"の関数であり,また,R曲線はき裂進展速度の関数であると考えられるが,現在までそのような検討がなされた報告はない.本研究では,窒化けい素およびアルミナについて,モ-メントー定型き裂進展試験を静的負荷および繰返し負荷において行い次のような結果を得た. 1.静的負荷を受ける場合:窒化けい素およびアルミナのいずれにおいても,K値一定荷を受ける場合,Kの値がK_<IC>より小さくK_<th>(arrest)より大きい場合は,き裂は停止することなく最終破断まで進展を続けるが,K_<th>(arrest)より小さい場合はき裂進展は,き裂伸展長さ“a"の増大とともに減速し,或長さ進展した後停止する. 2.繰返し負荷を受ける場合:繰返し負荷を受ける場合はアルミナの場合は,き裂進展の初期のき裂長さが短い間,き裂伸展長さ“a"の増大とともに進展速度の減速が見られるがその後一定速度で進展を続ける.窒化けい素の場合はき裂進展初期の減速も見られず,一定速度で進展する. 3.上記(1),(2)の結果より,KーV特性のき裂伸展長さ依存,および,R曲線のき裂進展速度依存を求めることができた.さらにKーV特性およびR曲線に及ぼす繰返し応力負荷の影響を明らかにした. 4.静的負荷の場合に見られる.き裂伸展長さ増大に伴う進展低抗の増大および進展速度の減少,ならびに繰返し応力負荷においてはそのような現象が見られないことはき裂面の間に作用する“Bridging"効果によって説明できる.
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[Publications] 大塚 昭夫: "窒化けい素セラミックスにおけるき裂進展特性のき裂長さ依存および応力繰返しの影響" 第6回破壊力学シンポジウム講演論文集. 175-180 (1992)
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[Publications] 大塚 昭夫: "窒化けい素セラミックスのき裂進展におけるき裂長さ依存と応力繰返しの影響" 材料. 41. (1992)
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[Publications] 大塚 昭夫: "アルミナ中のき裂進展におけるき裂伸展長さ依存と応力繰返し依存" 日本材料学会第41期学術講演会前刷. (1992)