1992 Fiscal Year Annual Research Report
自由表面の影響を考慮した船体周囲流場の数値流体力学的研究
Project/Area Number |
03452194
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
池畑 光尚 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10114969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 義行 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60126373)
山崎 寿 横浜国立大学, 工学部, 助手 (00240763)
鈴木 和夫 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (80111699)
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / 差分法 / 自由表面影響 / 高レイノルズ数粘性流 / 数値流体力学(CFD) / 境界層及伴流 / NSソルバー |
Research Abstract |
最近、数値流体力学の進歩はめざましく、粘性流体の運動方程式(ナビエ・ストークスの方程式)を直接数値的に解く事が可能になってきた。しかし、高レイノルズ数における乱流境界層と伴流については、やっとその可能性が見えてきたという段階である。船体周囲の流れは、この高レイノルズ数における乱流境界層と伴流に、自由表面に生じる波動が加わった複雑な流れである。 本研究では、まず、自由表面下を水中翼が直進する場合の2次元問題を対象として、梁曲理論を応用した新しい格子生成法を開発して境界としての自由表面の格子分割の逐次生成を容易にするとともに、直交性の確保を可能にした。又、差分スキームにはIAF法を用いた離化と、疑似圧縮性の仮説の導入により、運動量方程式、連続方程式及び水面波動に関する方程式の3者を、全く同じ形で記述して、数値的に同じアルゴリズムで解く事に成功した。 次に、3次元問題にこの方法を拡張して、手始めに、自由表面の無い場合について、平板と対称翼型ストラットを組合せたジャンクションフローを取り上げて、その数値解法を試みた。その結果、平板近傍の二つの境界層が直交する複雑な粘性流れにおける興味深い特徴を明らかにする事ができた。 そして、最後に、この3次元の方法を、自由表面の有る場合の船体周囲流場と、水面の波動の解法に適用して、船体表面上の限界流線や圧力分布および横断面内の伴流分布等について、実験値とも良い一致を示す数値解を得る事に成功した。又、自由表面の波形についても、実用船型のシリーズ60(C_B=0.60)について、実験と良く合う計算結果を得る事ができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Liu M.Ikehata: "Computation of Free Surface Viscous Flow with High Reynolds Number around A Submerged Hydrofoil" Proceedings of The 2nd Osaka International Colloquium on Viscous Fluid Dynamics in Ship and Ocean Technolgy. 102-121 (1991)
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[Publications] 池畑 光尚 劉 浩: "平板上の垂直翼周り流れの数値計算" 日本造船研究協会第213研究部会平成3年度報告書. 134-139 (1992)
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[Publications] 池畑 光尚 劉 浩: "横傾斜と迎角のある場合のシャフトブラケットと平板とのジャンクションフローの計算" 日本造船研究協会第213研究部会平成4年度報告書. (1993)
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[Publications] H.Liu M.Ikehata: "Numerical Simulation of Free Surface Viscous Flow around A Practical Ship Model" Journal of Ship Research. (1993)
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[Publications] H.Liu M.Ikehata: "Computation of Free Surface Waves around An Arbitrary Body by A NS Solver Using the Pseudo-Compressibility Technique" International Journal of Numerical Methods in Fluids. (1993)