1991 Fiscal Year Annual Research Report
雨水管路網の流入水流下・貯留能と流下能余裕安全率の確率表現に関する研究
Project/Area Number |
03452217
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 博幸 九州大学, 工学部, 助手
森山 克美 九州大学, 工学部, 助手 (80157932)
大石 京子 九州大学, 工学部, 助手 (20110835)
古米 弘明 茨城大学, 工学部, 助教授 (40173546)
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Keywords | 雨水管路網 / 雨水排除 / マンホ-ル / エネルギ-損失 / モデル化 |
Research Abstract |
1.雨水管路網の流下能力を数値計算により評価するうえで必要となるマンホ-ル部でのエネルギ-損失を実験的に求めると共に、その水理学的特性について検討した。2方向接続(接続角180度及び90度)に関する実験の結果、マンホ-ル部でのエネルギ-損失のパタ-ンはマンホ-ル上流管の水理特性(開水路流れ、サ-チャ-ジ流れの別)により変化すること、サ-チャ-ジ流れ時の損失係数は、接続角180度・段差10cm(実スケ-ル1mに担当)以上で約2、接続角90度では段差2.5cm付近で極大値(約2.7)を示すことがわかった。また、マンホ-ル径/下流管径比が小さく、段差が大きいほどマンホ-ル内で渦が発生しやすく、エネルギ-損失の原因となることがわかった。 2.グラフ理論によりマンホ-ル部でのエネルギ-損失を考慮した雨水管路網の水理計算手法を検討し、実際の洪水痕跡調査がなされている排水区域への適用を試みた。計算にあたっては、管路内の流れはサ-チャ-ジ流れを仮定し、実際に計測された流入ハイドログラフを上流端の境界条件とした。計算の結果、マンホ-ル部エネルギ-損失の考慮は重要であることが示された。具体的には、マンホ-ル部エネルギ-損失を考慮した計算ケ-スでは、マンホ-ル内水位の上昇速度が大きくなることが示された。また、通常の雨水管路網の設計においては、マンホ-ル部でのエネルギ-損失は考慮されてないが、計算結果よりマンホ-ル部エネルギ-損失を考慮した場合、浸水区域の浸水箇所、浸水深、浸水時間などに違いが生ずることが堆察された。
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