1991 Fiscal Year Annual Research Report
市街地内有効空地の安全・快適性能評価方法に関する研究
Project/Area Number |
03452230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 定夫 東京大学, 工学部, 教授 (10011214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 敦 日本学術振興会, 特別研究員 (70222148)
松村 茂 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80239079)
西村 幸夫 東京大学, 洗端科学技術研究センター, 助教授 (20159081)
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Keywords | 公開空地 / 特定街区 / 総合設計制度 / 日照 / 採光 / 天空率 / 避難 / 日射量 |
Research Abstract |
本年度の研究内容は、1.空地の快適性を日照・採光環境の側面から定量化する評価シミュレ-ションの構築と実測調査、2.空地の安全性能を災害時避難の側面から定量化する評価方法の構築、の2つに分類できる。 前者の空地の快適性に関する研究では、まず公開空地を持つ開発事例を空地タイプごとに分類し、空地内部及び周辺街路での天空写真に基づく実測調査を行った。実測調査の結果は、各空地タイプごとに周辺街路の採光環境への影響、効果の相違の観点からまとめている。評価シミュレ-ションとしては、日照環境を示す指標として日射量に着目し、対象地区の建物モデルを用いて、日射量を計量するモデル式により地面、壁面の日射量の分布を求め、視覚的に表示する手法の構築を試みた。構築した手法を用いた有効空地(公開空地)の周辺への影響に関する基礎的検討として、一定の敷地条件に対して、異なる規制条件下で公開空地を伴い開発した場合の周辺街路の日照環境への影響の比較、検討を行なった。その出力結果は、総合設計制度等の運用基準における街路への影響評価方法検討のための基礎資料としてまとめている。 後者の空地の安全性に関する研究では、主として人間流動モデルを用いた避難シミュレ-ション手法の開発を行なった。このシミュレ-ションは、群衆避難予測モデルを用いて、建物内部から有効空地に流出した避難人口が敷地外へ避難するまでの所用時間を求めるものであり、避難所用時間と建物容積、空地の配置、形状との関係を分析することを目指したものである。現在、構築したシステムを用いて、基本的形状の建物・空地モデルに対する一斉避難時の避難流動状況のシミュレ-ション結果を基に、空地の接道条件及び建物出口と避難所用時間との関係について分析中である。
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[Publications] 出口 敦: "道路採光環境から見た有効空地の評価に関する研究" 都市計画論文集. No.26ーB. 811-816 (1991)
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[Publications] ATSUSHI DEGUCHI: "Study on Impact of Building and Open Space Design on Daylight of Front Street" Journal of the Faculty of Engineering,The University of Tokyo(series B). Vol.41,No.3. (1992)