1991 Fiscal Year Annual Research Report
イオンダイナミックミキシング法による機能性表面改質の研究
Project/Area Number |
03452263
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 正司 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (40029286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巻野 勇喜雄 大阪大学, 溶接・工学研究所, 助手 (20089890)
奈賀 正明 大阪大学, 溶接・工学研究所, 助教授 (00005985)
節原 裕一 大阪大学, 溶接・工学研究所, 助手 (80236108)
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Keywords | イオンビ-ム / ダイナミックミキシング / 表面改質 / 酸化物薄膜 / イオンビ-ムスパッタリング / 酸化チタン / アルミナ / ルチル構造 |
Research Abstract |
本年度の実施計画により得られた成果は以下のとおりである。 1)ECRプラズマ源を用いて1ー30keVのエネルギ-範囲で、太い(3cm巾)一様な酸素ビ-ムを1mA以上得られるように、ECRイオン源を改良する: この研究に関してはすべて達成された。すなわち1ー30keVのどのエネルギ-でも、ほぼ同じような太いビ-ム径(3cm)で、1mA以上のビ-ム電流を得ることが出来た。またビ-ムに含まれるO_2^+とO^+イオンの比は約2:1であった。イオン引出し電極系がカ-ボンで出来ているため、ビ-ム中にC^+やとCO_2^+などがわずかに含まれることが分かった。現在電極材料をSiCに改めようとしている。 2)市販のイオンビ-ムスパッタ源を用いて薄膜合成を行い、イオンビ-ムミキシングとの比較を行う: この問題については、3keVのAr^+イオンを用いて、Tiタ-ゲットをスパッタさせ、TiO_2膜を作成した。そしてイオンビ-ムミキシングで作られたTiO_2膜と比較し、前者は結晶化せず、後者の場合にのみ膜の結晶化が起こることを明らかにすることができた。 3)ECRイオン源を用いたイオンビ-ムミキシング実験と酸化物薄膜の特性評価: 1)、2)の結果にしたがって、電子ビ-ム蒸発源を用いて主としてTiO_2膜の合成実験を行った。その結果、ミキシング膜の場合にのみ、ルチル構造のTiO_2多結晶膜が作成されることが明らかになった。現在Al_2O_3膜の合成も行って、γAl_2O_3と思われる薄膜を得ている。また特性評価については、TiO_2膜の光学特性と電気的特性を中心に測定中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Miyake,T,Kobayashi,M.Satou and F.Fujimoto: "Titanium oxide formation by dynamic ion beam mixing" J.Vac.Sci.Technol. A9. 3036-3040 (1991)
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[Publications] 三宅 正司,本田 和彦,佐藤 守: "イオンダイナミックミキシング法によるチタン酸化膜合成" 真空. 35. 15-21 (1992)