1993 Fiscal Year Annual Research Report
再結合酸素プラズマにおける負イオン・オゾン生成の競合過程
Project/Area Number |
03452284
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門田 清 名古屋大学, プラズマ科学センター, 教授 (60093019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三重野 哲 静岡大学, 理学部, 助教授 (50173993)
庄司 多津男 名古屋大学, プラズマ科学センター, 助教授 (50115581)
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Keywords | 酸素プラズマ / 再結合プラズマ / 酸素原子 / 負イオン / オゾン / 二光子レーザー誘起蛍光法 / 質量分析法 |
Research Abstract |
本研究では、10MHz帯での高周波によるヘリコン波放電を用いて10^<12>cm^<-3>の高密度酸素プラズマを発生させ、高周波の変調による繰り返しパルス運転により高周波のON-OFFに対応して電離プラズマ及びプラズマを生成する。この再結合段階で効率よく生成されると考えられる負イオンとオゾンの競合関係を調べることを目的として研究を行なった。先ず、酸素のような分子ガスでも、高周波パワーが1-4kWのヘリコン波放電により10^<12>-10^<13>cm^<-3>の高密度プラズマが生成できることを示した。次にオゾン生成等で重要な役割を演じるO原子の絶対密度の時間変化及び空間分布を求めるため、二光子励起レーザー誘起蛍光法を開発、実用化した。これにより、50mTorrのガス圧力での酸素解離度は1%程度であり、アフターグローでの減衰は主に容器の表面反応によると考えられる。さらに、飛行時間型質量分析により正負イオンの生成・消滅過程を調べた。特に負イオンについてはO^-が支配的でありO_2^-も存在するが、それらは電離プラズマ状態では観測されず、アフターグローの再結合プラズマ中で実効的に生成されることが分かった。オゾンに関しては、その負イオンを検出することによりそれをモニターすること、及び250nm近傍でのレーザー吸収法を試みたが、現状では検出するまでには至っていない。基礎過程をシンプルにするため本研究で用いた低ガス圧力のプラズマでは、さらにオゾン検出の感度を改善する必要がある。以上まとめとして、当初の計画を完全には達成できなかったが、本研究により酸素のような反応性プラズマの生成及び基礎過程を調べるのに不可欠な各種計測法開発を進めることができ、この発展として半導体エッチングに用いられるCF_4プラズマに関してもラジカル、イオンの振る舞いに関して多くの知見を得ることができた。
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