1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452297
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香山 晃 東京大学, 工学部, 助教授 (80092203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸野 豊 東京大学, 工学部, 助手 (70150282)
佐東 信司 東京大学, 工学部, 助手 (70090511)
|
Keywords | 複合材料 / SiC / Al / C / Al / 核融合炉材料 / 中性子照射 / シャルピ-試験 / 微小試験片技術 |
Research Abstract |
A1基複合材料は比強度、比剛性に優れ、高温強度特性と低放射化特性の点から将来の核融合炉用材料としても期待されているため、本研究では先進金属基複合材料(SiC/Al,C/Al)の非照射および中性子照射による破壊靭性を微小シャルピ-試験法を用いて評価する事を目的とした。 SiC/Al,C/Alの薄板から2×2×20mmの試料を切出し、深さ0.3mmのVノッチを入れて用いた。中性子照射はJMTRで行い、照射温度423〜453K、照射時間533時間、照射量は8.0×10^<23>n/m^2(E>0.1MeV)である。シャルピ-試験温度は293K〜530Kまでである。 シャルピ-試験で得られた荷重ー変位曲線から全体の吸収エネルギ-をE、最大荷重点までの吸収エネルギ-をE1、最大荷重点以降の吸収エネルギ-をE2とすると、Eは非照射材、照射材いずれも450K以上の温度で緩やかな上昇を示し、SiC/Alの場合非照射材の530KにおけるEは15OKの1.3倍を、C/Alでは1.5倍を得た。SiC/AlのE1の増加はマトリックスの軟化による破断歪の増大によると考えられる。破断面より破面の凹凸は高温ほど激しいことが観察され、E2の高温での増加と一致した。照射材のE2は、530Kで増加を示し、破断面の横膨出量の増大と合致した。 C/AlのE1の上昇はマトリックスの軟化効果に加え、曲げ強度の増加にも依存していると考えられる。破断面観察より破面の凹凸は高温ほど増加するが、その度合いはSiC/Alより弱いことが観察され、E2の温度上昇による増加がSiC/Alより低いことと一致した。照射材のE2は、試験温度全域で増加を示した。照射材の破断面で繊維のプルアウトの減少が観察されることから、界面強度の上昇が吸収エネルギ-の増加に寄与していると考えられた。シャルピ-試験の試料サイズによる規格化を行なった結果、良い一致が得られた。ASTM E399により破壊靭性値を算出した結果室温・非照射においてSiC/AlとC/Alで約16と15MPa・m^<1/2>を得た。
|