1992 Fiscal Year Annual Research Report
アクチナイド元素の消滅を目指した核反応断面積の測定に関する研究
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03452302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 捷平 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80027466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 逸郎 京都大学, 工学部, 教授 (40027404)
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Keywords | Np-237 / Np-238 / 熱中性子断面積 / 共鳴積分 / 放射化断面積 / (n,γ)反応 / 標準スペクトル場 |
Research Abstract |
本研究では、消滅を目指した核反応断面積の測定に関する研究の一環として、まず、代表的なアクチナイド元素であるNp-237を取り上げ、昨年度において、これに関する核分裂反応断面積を数eVから10keV領域において測定した。本研究において得られた本年度の研究成果をまとめると: 1.上記、Np-237の核分裂断面積の測定、並びに明かとなった研究の成果をとりまとめ、現在、専門雑誌に投稿中である。 2.アクチナイド元素の消滅を目指す方法の1つとして、中性子吸収反応を利用し、核変換させて、短半減期核種、或いはより燃焼しやすい核種に変換する手法がある。一般に、低エネルギー領域では中性子吸収断面積が大きいため、その有効性が期待できる。本年度は、Np-237(n,γ)Np-238反応断面積測定を中心に実験的研究を進めた。Np-237の半減期は2.14x10^6年であるのに対し、Np-238の半減期は2.12日と極めて短いものである。本実験では、Np-237(n,γ)Np-238反応断面積を放射化法によって測定した。 3.京大研究炉(KUR)の重水熱中性子設備におけるMaxwell分布型の標準的な中性子スペクトル場を利用し、まず、Np-237(n,γ)の熱中性子反応断面積を測定した。Np-237試料の精製、準備は従来通りで、α線スペクトルの測定結果より、その不純物による影響を評価した。試料に入射する熱中性子束は、標準としてしばしば利用される金箔・金の放射化断面積(98.65±0.09b)によってモニターした。本実験の結果を表1に示す。従来値は何れも約10%以上も大きいことが分かる。 4.次に、共鳴中性子領域でのNp-237(n,γ)反応断面積として、その共鳴積分の測定を行った。原子炉の中性子減速エネルギー領域で標準的な1/Eスペクトルを示す中性子場において、金箔をモニターとして使用し(1550±28b)、厚さ0.5mmのカドミニウムカバーを付けたNp-237試料の照射を行った。共鳴積分の測定結果を表2に示す。代表的な評価済み核データの値より20%以上も大きくなったが、共鳴積分の定義として、エネルギー下限を0.5eVに定め、その補正を行えば641±61bの値が得られた。従来の評価値は、本実験値を満たしていることが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Yamanaka: "Lead Slowing-Down Spectrometer coupled to Electron Linac" JAERI-M 92-027. 375-383 (1992)
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[Publications] K.Kobayashi: "Characteristic Behavior of Neutrons in the Lead Slowing-Down Spectrometer coupled to Electron Linac" JAERI-M 93-046. (1993)
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[Publications] I.Kimura: "Measurement of Fission Cross Section of Np-237 in Resonance Region with Electron Linac-Driven Lead Spectrometer" JAERI-M 93-046. (1993)