1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453040
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
赤岩 英夫 群馬大学, 工学部, 教授 (60008414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相沢 省一 群馬大学, 工学部, 助手 (20008527)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 助教授 (30175468)
川本 博 群馬大学, 工学部, 教授 (20008460)
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Keywords | 銅錯化容量 / 易動度 / スペシエーション / 天然配位子 / 人間活動 / 溶媒抽出 / 副反応 / キレックスカラム |
Research Abstract |
河川水中に溶存している微量銅(II)錯体の易動度(反応活性度)を測定する方法を過年度開発し、その結果はすでに論文として公表した(Anal.Sci.,8,571(1992))。開発した方法の原理は、銅(II)錯体が解離して生成する遊離の銅(II)イオンだけがキレックスカラムに吸着する現象を利用したもので、銅(II)イオンの相対的な吸着速度を銅(II)錯体の易動度とする。本年度は上記の方法を用いて桐生川河川水を対象に調査した。河川水試料の測定項目は、pH、銅(II)錯体の易動度、溶存全有機炭素(TOC)、アミノ酸濃度および銅(II)錯化容量(CuCC)である。なお、CuCCの測定方法はすでに研究者らが開発した方法によった(Chem.Let.,1986,605)。調査項目について検討した結果、CuCCは強い銅(II)錯体を生成する配位子を対象にした測定法であるのに対して、易動度は弱い銅(II)錯体を生成する配位子を対象にした測定法であること、また河川水に溶存する配位子には天然起源のものと生活活動に由来するものがあることなど、今回の調査によって環境化学的に有用な多くの知見を得た(Bull.Chem.Soc.Jpn.,66,105(1993))。 本年度はさらに、天然水中の微量銅(II)のスペシエーションの方法を開発した。その方法は銅(II)のTTA正抽出反応を主反応とし、河川水中で銅(II)が配位子と錯形成をする反応を副反応として副反応係数を測定することによって、河川水中で銅(II)が錯化されている程度を測定するものである(Anal.Sci.投稿中)。
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[Publications] H.Kawamoto: "Synergistic extraction of Zr^<IV> and Hf^<IV> with N-benzoyl-N-phenylhydroxylamine and phenols." Anal.Sci.9. 145-147 (1993)
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[Publications] H.Kawamoto: "Lability of soluble copper(II)complex in river waters in the urban area." Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 2104-2105 (1993)
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[Publications] 赤岩英夫: "分析化学データブック(改訂4版)" 丸善, 200 (1993)