1992 Fiscal Year Annual Research Report
加速イオンビームを用いた電極表面のIn-Situ測定
Project/Area Number |
03453075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 靖彦 京都大学, 工学部, 教授 (20026066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 益近 京都大学, 工学部, 教務職員
吉田 紘二 京都大学, 工学部, 教務職員
森谷 公一 京都大学, 工学部, 教務職員 (50111943)
森山 裕丈 京都大学, 工学部, 助教授 (90127150)
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Keywords | イオンビーム / 電析反応 / Ni-Co合金 / In-Situ測定 / プロントビーム / 溶融塩 |
Research Abstract |
近年、エレクトロニクス、エネルギー等々のあらゆる分野で、金属材料の機能性向上にむけて多くの努力が重ねられてきており、中でも、金属表面の高機能化をめざした電解メッキ技術はめざましい進歩をとげている。このような目的には、単一金属のメッキではもはや対応しきれず、多くの場合、複合メッキに活路が求められている。複合メッキ、とりわけ合金メッキの研究では、電析初期過程での電極表面状態を時々刻々In-Situで測定する技術の開発が望まれる。このような観点から、本報告者らは、上記目的に使用するイオンビームの開発から始まって、In-Situ測定用電解装置の試作までの研究をすすめ、測定システム全体を成功裡に構成することができた。この測定システムの概略は以下の通りである。Van de Graaff型加速器で2MeVに加速したプロトンビームを、電析反応が進行中の、金とクロムを重ねて蒸着した有機薄膜カソードに背面から照射する。このとき、カソード上に析出した元素は励起され、特性X線を放射する。このX線のエネルギースペクトルを測定していけば、電析元素の定性・定量がリアルタイムで行えることになる。この測定システムを用いて、Ni-Co合金の電析初期過程の共析比をリアルタイムで追跡することができたが、一方、さらに測定精度をあげるためには、電極部を貫通して電解液中に進入してくるイオンビームによって励起されるNiやCoから放射される特性X線を的確に評価し、その分だけ測定値を補正してやる必要がある。本年度はこの問題に集中的に取り組み、電解液からの影響にもとずく測定値のずれを定量的に評価することができるようになった。 また、ことで開発したIn-Situ測定の手法を溶融塩系からの電析反応の解析に適用するための基礎研究も行い、本法適用の可能性を確かめることができる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Ito,T.Shimada,and H.Kawamura: "Electrochemical Formation of Thin Carbon Film from Molten Chloride System" Proc.8th International Symposium on Molten Salts. 574-585 (1992)
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[Publications] Y.Ito,T.Murata,S.Yoshizawa,and Y.Fukunaka: "An Interferometric Study on Ionic Mass Transfer Rate Associated with Natural Convection along a Silver Plane Vertical Cathode in AgNO_3-NaNO_3-KNO_3" Proc.2nd International Symposium on Electrochemical Processing of Tailored Materials. (1993)