1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
児玉 徹 東京大学, 農学部, 教授 (30011901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 泰夫 東京大学, 農学部, 助手 (90114363)
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Keywords | 炭酸固定 / RubisCO / 好アルカリ菌 / 古細菌 / 海洋性細菌 / 好熱性藻類 |
Research Abstract |
蟻酸をエネルギー源、炭酸ガスを炭素源としてアルカリ環境げ生育する細菌を取得し、そのうちの1株(Maraxella sp.)から炭酸固定酵素RubisCOを精製した。本酵素のN末酸アミノ酸配列は、水素細菌Alcaligenes eutrophius由来RubisCOのそれと高い相同性を示した。しかし、炭酸ガスに対するKm値は本菌由来RubisCOの方が1オーダー高い値を示した。この差は高アルカリ環境では一般に炭酸濃度が高いことを反映していると考えられた。 塩濃度の高い環境に生育する細菌の一部には、炭酸ガスを唯一炭素源としては生育できないが、微弱ながらRubisCO活性を持つものがあることが知られていた。各種の好塩菌の本酵素活性を測定し、特に好塩古細菌Halofelax属に活性が強い株が多く存在することが判明した。本属由来のRubisCOは耐塩性を示し、有機栄養素の不足がちな培養条件で強い活性を示した。本酵素は発現量が少ない為その精製は困難であり、また恐らく他菌株由来のものとは相同性が低いらしく、遺伝子のクローニングも未だできていない。本菌の炭酸固定は、その生育環境および進化系統の面から興味深い。 海洋環境で旺盛に生育する炭酸固定微生物、Hydrogenovibrio marinusは、3種類のRubisCO遺伝子を持っており、少なくともそのうちの2種は発現していることを確認した。本菌は絶対独立栄養性であり、炭酸固定はその生存にとって必須である。本菌における性質の異なる複数のRubisCO(遺伝子)の存在は、海洋環境における炭酸固定微生物の生き残り戦略の一環と理解される。 日本およびタイ国の温泉より、高温で生育する微細藻類を取得してその分類学的研究および培養特性を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirofumi Nishihara: "Growth Characferistics of a Marine Hydrogen-Oxidising Bacterian Hydrogenou moすinus MH-110" J.Ferment.Bioeng.72. 358-361 (1991)
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[Publications] Toshiaki Yaguchi: "Rurification of RubisCO from a thermophilic Cycnobacterium." J.Ferment.Bioeng.73. 348-351 (1992)
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[Publications] Yasuo Igarashi: "Isolatian of thermophilic microalgae from Northen Thailand Hotsprings." Am.Rep.ICBiotech.15. (1992)
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[Publications] Toshiaki Yaguchi: "Cloning,Sequence and Overexpression of the Thermophilic Cyanobacteriam for RubisCO" J.Ferment.Bioeng.75. 1-8 (1993)
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[Publications] 五十嵐 泰夫 児玉 徹(分担執筆): "極限環境微生物ハンドブック §6-2 炭酸固定と利用(pp376-384)" サイエンス・フォーラム, 467 (1992)
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[Publications] Yasuo Igarashi et-al.(分担執筆): "Biomass Production from CO_2 by H.marinus pp 719-722 (in Biochemical Enseneering for2001)" Springer Verlag., 847 (1992)