1991 Fiscal Year Annual Research Report
エチレン生成要因と液胞膜活性からみたニホンナシ果実の成熟特性と品種類別
Project/Area Number |
03454049
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田辺 賢二 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032106)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 文男 鳥取大学, 農学部, 助手 (50217197)
伴野 潔 信州大学, 農学部, 助教授 (80127125)
|
Keywords | ニホンナシ / 果実成熟 / エチレン生成 / ACC / EFE |
Research Abstract |
ニホンナシの早生品種・‘新水'、中生品種・‘菊水'および‘二十世紀'晩生品種‘新興'‘新雪'の5品種について、果実の成熟に伴うエチレン生成量、ACC含量およびエチレン生成酵素(EFE)の働きを調べた。早生品種で貯蔵性の劣る‘新水'および中生品種で貯蔵性の劣る‘菊水'はいずれもエチレン生成量が多く、またACC含量も多くさらにEFE活性も高かった。中生品種で貯蔵性のよい‘二十世紀'および晩生品種で貯蔵性のよい‘新興'はいずれもACC含量多くEFE活性が高いにもかかわらずエチレン生成量が少なかった。晩生品種で貯蔵性が著しくすぐれる‘新雪'はACC含量少なくEFE活性も低く、エチレン生成量がきわめて少ないことが認められた。 ‘新水'‘二十世紀'‘新雪'を0℃から40℃までの各温度下におき、エチレン生成量、ACC含量、EFE活性を調べた。エチレン生成量は品種により大きく異なったが、20℃から30℃の範囲で生成量が最も多く、またACC含量、EFE活性もこの温度域で高い値を示した。貯蔵性の劣る‘新水'でエチレン生成量とEFE活性がともに低い値を示すのは5℃以下であった。 成熟期と貯蔵性の異なる上記5品種の果実について、成熟に伴う液胞膜活性の変化を調査した。各品種ごとに特徴ある変化を示したが、エチレン生成量の多少と膜活性の間には関連は認められなかった。 上記5品種以外の栽培品種20品種について果実成熟に伴うエチレン生成量、ACC含量、EFE活性の動きを調査し、これらの値から調査品種を3つのタイプに分類した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 田辺 賢二,伴野 潔,田村 文男,井ノ口 和人: "日本ナシ果実発育の早晩性・貯蔵性とエチレン生成との関係" 鳥取大学農学部日本ナシ開発実験室報告. 5号. 1-19 (1991)
-
[Publications] 井ノ口 和人,田辺 賢二,田村 文男,月時 和隆: "日本ナシ果実のエチレン生成量と液胞膜ATPase及びPPase活性の変化" 園芸学会雑誌. 60巻別2. 136-137 (1991)
-
[Publications] Joon Teak Jang,K.Tanabe,F.Tamura and K.Banno: "Identification of Pyrus Spccies by Peroxidase Isozyme Phenotypes of Flower Buds" J.Japan.Soc.Hort.Sci.(園芸学会雑誌). 60(3). 513-519 (1991)