1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 勝己 東京大学, 農学部, 教授 (50011896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 昌弘 東京大学, 農学部, 助教授 (70134517)
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Keywords | 微細藻類 / 藍藻 / ペプチド / 酵素阻害 / トリプシン / エラスタ-ゼ / パパイン / キモトリプシン |
Research Abstract |
微細藻類の産生する酵素阻害物質の探索を行い、以下の成果をあげることができた。 1.酵素阻害物質のスクリ-ニング: 国内外より入手した60種以上の微細藻を大量培養し、その藻体から、水溶性と脂溶性画分を調製し、各種プロテア-ゼの阻害活性を検討した。パパイン阻害活性が24種の脂溶性画分に100μg/mlで認められたが、10μg/mlではいずれも活性を示さなかった。エラスタ-ゼ阻害活性は、2種の藍藻の両画分に認められ、特にNostoc minutumの水溶性画分は10μg/mlでも活性を示した。トリプシンに対しては、5種の藍藻に阻害活性が認められ、特にMicrocystis aeruginosaの水溶性画分は10μg/mlでも活性を示した。また、キモトリプシン阻害活性は、1種の藍藻の脂溶性画分に認められたのみであった。 2.藍藻Microcystis aeruginosa(NIESー100)のトリプシン阻害物質: 藍藻M.aeruginosaの培養液810Lより得られた藻体を抽出、溶媒分画後、各種クロマトグラフィ-により複数の阻害物質を得た。そのうちの1種は、分子量がFABMSにより986と推定され、アミノ酸分析および各種NMRスペクトルよりLys、Val、Glu、Thr、Leu、NーMeTyrの6種のアミノ酸、通常アミノ酸以外の成分、および脂肪酸が結合したペプチドであると推定された。本物質のトリプシンに対するIC_<50>は0.071μg/mlであった。 3.藍藻Microcystis aeruginosa(NIESー298)のエラスタ-ゼ阻害物質: 藍藻M.aeruginosaの培養液360Lから得られた藻体を抽出し、溶媒分画後、逆相系のクロマトグラフィ-を繰り返すことにより2種のエラスタ-ゼ阻害物質が得られた。これらは、分子量1700ー1800で、エラスタ-ゼに対するIC_<50>は0.04ー0.08μg/mlであった。また、アミノ酸分析および各種NMRスペクトルにより、ペプチドであることが推定された。
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[Publications] Katsumi Yamaguchi: "Screening of protease inhibitory activities in microalgae" Journal of Applied Phycology.
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[Publications] Katsumi Yamaguchi: "New trypsin inhibitors from the blueーgreen alga Microcystis aeruginosa" Tetrahedron Letters.