1992 Fiscal Year Annual Research Report
鶏のマレック病抵抗性に関する免疫学的並びに分子遺伝学的研究
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03454099
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡田 育穂 広島大学, 生物生産学部, 教授 (40001424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義雄 広島大学, 生物生産学部, 教授 (10032103)
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Keywords | マレック病 / 抗病性 / 主要組織適合複合体 / 制限酵素断片長多型 |
Research Abstract |
遅延型過敏症(DWR)能について鶏を高(H),低(L)2方向へ選抜した系統(DWR-H 及びL)を用いて,マレック病ウイルス接種試験を行い,マレック病抵抗性について分析した。さらに,主要組織適合複合体(MHC)のB-G及びB-F領域のプローブを用いて,制限酵素断片長多型(RFLP)の分析を行い,マレック病抵抗性との関連性を調査した。 1.DWR-H及びL系統の選抜第4世代の初生雛にマレック病ウイルスを接種し,マレック病発症率及び死亡率を調ベた。8週齢時における発症率はH系69.8%,L系37.5%,死亡率はH系30.2%,L系10.9%で,系統差は何れも統計的に有意であった。この結果は、昨年度行った第3世代での結果と同様であり、L系がH系より抵抗性であることが確認され。 2.同じDWR系統を用いて、可移植性マレック病腫瘍細胞MSB1-41C株の接種試験を行った。接種後7週目までの死亡率はH系3.8%,L系3.4%で,有意な差はみられなかった。また,発生した腫瘍の大きさにも系統差は観察されなかった。 3.1で述ベたウイルス接種離について,MHCであるB遺伝子型を調ベ,さらにB-F及びB-Gプローブを用いてRFLP分析を行った。B-G領域のRFLP型は血清学的に判定したB遺伝子型と一致したが,B-F領域のRFLPは同一B遺伝子型内で幾つかの型に細分された。マレック病抵抗性との関連性では,B^9遺伝子をもつものが一般にマレック病に対し感受性であった。次に、同一B遺伝子型内でのB-F領域のRFLP型間の比較では,Eco RI消化でみられたある特定のバンドをもつ個体がマレック病感受性を示す傾向が観察された。このバンドはB^9で特に高い頻度で観察されたので,他のB遺伝子でみられたこのバンドは乗換えによりB^9より由来した可能性も推測された。
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Research Products
(1 results)