1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454106
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能田 健 東京大学, 農学部, 助手 (60218287)
林 良博 東京大学, 農学部, 教授 (90092303)
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
小川 智也 東京大学, 農学部, 教授 (30087572)
|
Keywords | 胎盤 / 胎盤機能調節因子 / トロホブラスト / 胎盤性ラクトゲン / PLーI,II / 糖脂質 / 栄養膜細胞 / Insulinーlike growth factor(I,II) |
Research Abstract |
胎盤は、妊娠維持に必要なホルモンの産生、胎児への栄養の供給、母子間の免疫バリア-としての機能を担い、胎児の生命維持装置として哺乳と動物の妊娠維持に必須の役割を果たしている。本研究は生化学的手法で胎盤機能調節因子の分離・精製を行ない、その存在を分子レベルで実証し、トロホブラストの分化に対する影響とトロホブラストの機能に対するこれらの因子の影響について生理、生化学的手法と形態学的手法により解析し、母体あるいは胎仔による胎盤機能の調節系を明らかにしようとするものである。申請者らはすでに妊娠期の特定期のラット血清中には胎盤機能調節活性が存在していることを示すin vivo、in vitroの実験成績を得ている。本年度は胎盤機能調節因子(胎盤性ラクトゲン放出促進活性およびトロホブラストの分化調節因子)の探索・精製を目的に、胎盤細胞初代培養系を確立した。そして、胎盤性ラクトゲン(PLーI、PLーII)の抗体作製とラジオイムノアッセイ系を確立することで同因子の探索を可能とした。また、胎盤組織について糖脂質の解析を行い、妊娠時期に特異的な糖脂質が存在することを見いだした。これらの糖脂質はその機能について注目されるばからでなく、胎盤の構成細胞の分化マ-カ-としても重要である。さらに胎盤性ラクトゲンのcDNAクロ-ニングを行ない遺伝子の単離に成功した。これら以外に栄養膜細胞の形態学的指標(多核化、増殖、伸張)を用い、Insulinーlike growth factor(I,II)が胎盤内の調節因子として重要であることなども明らかになった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kunio Shiota: "Placentul lactogen secretion during prolonged pregnancy in the rat:The ovary plays a pirotal role in the control of placental function" Endocrinol,Japon.38. 541-549 (1991)
-
[Publications] Naoki Furuyama: "Two distinct placental lactogenーlike substanes(PLーα & PLーβ)in serum during midーpregnancy in the rat." Endocrinol.Japon.38. 533-540 (1991)
-
[Publications] Kunio Shiota: "Rat placental lactogens(PL):Novel PL molecules and regulation of their secretion" Second Lake Shirakaba・PlacentaConference. 2. 66-77 (1991)
-
[Publications] 塩田 邦郎: "ウマの妊娠から出産までー生産率の向上は可能かーウマの繁殖特性と遺伝子工学的アプロ-チの可能性" 日本ウマ科学会雑誌. 1. 7-12 (1990)
-
[Publications] 塩田 邦郎: "ラットにおける胎盤性ラクトジェンとその分泌調節" 化学と生物. 29. 771-777 (1991)