1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの脳温の左右差についての生理学的及び病態生理学的検討
Project/Area Number |
03454137
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 徳雄 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50065520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 一乃 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10223306)
夏目 恵子 愛知医科大学, 医学部, 助手 (40198370)
大西 範和 愛知医科大学, 医学部, 助手 (20176952)
菅屋 潤壹 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50109352)
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Keywords | 脳温 / 鼓膜温 / 脳血流量 / 発汗量 / 皮膚血流量 / 粘膜血流量 / 星状神経節ブロック / 脳梗塞 |
Research Abstract |
健常者における鼓膜温の左右差の発現とその程度を観察し、また実験的な左右差の発現時における脳血流と鼓膜温の相関及びその体温調節反応との関連を調べ、さらに偏側脳障害の部位、範囲、罹患期間と鼓膜温の左右差との関連及びその体温調節機能に対する影響を調べ、脳温の左右差の発現とその意義について総合的な検討を試みている。現在までに得られた所見は次の通りである。1.携帯用体温記録装置を用いて数名の健常者の両側鼓膜温を8〜48時間連続測定し、通常鼓膜温に僅かな左右差があり、個人によりいずれかがほぼ常に高く、1日のうちに数回差が狭まるか逆転することを観察した。その要因に分析し、姿勢の変化、特に頭部の傾きが主要なことを認め、迷路刺激の関与を推測した(口腔粘膜血流量、前額血流量にも影響をみた)。2.一側星状神経節ブロックを施行し、同側の鼓膜温の僅かな低下を認めたので、これと ^<123>IーIMP及び[ ^<99m>Tc]HMーPAOを用いたSPECT像との関連を調べた。前者では、薬品の特性及び手技上の問題もあり明らかな脳血流の左右差を認めなかったが、後者では、8例中6例で同側脳血流の僅かながら明らかな増加を認めた。6例ではさらに、人工気候室で左右上下肢の発汗量を調べ、同側上肢の発汗は停止することが多いが、同側下肢の発汗量もやや減少することが多いことをみた。3.数十例の偏側性の脳血管障害患者について、左右鼓膜温を測定し、脳梗塞では梗塞側の鼓膜温が対側より有意に低下することを認めた。さらに、その程度とX線CT像にみられる障害部位、及びそれから算出した障害範囲との間に緊密な関連を認めた。数例の患者では、人工気候室で左右対称部位の発汗量を連続記録し、脳梗塞側より反対側の方が発汗量が多く、梗塞側とは非同期性の、過剰の発汗波が、亜急性期にも慢性期にもしばしば出現することをみた。梗塞部位の刺激症状に加え、梗塞側の脳温低下による同側の発汗低下も考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 梅山 孝江: "星状神経節ブロックの効果判定における精神性発汗および温熱性発汗側定の有用性" ペインクリニック. 12. 189-192 (1991)
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[Publications] 西田 元彦: "脳血管障害における鼓膜温の左右差と発汗反応" 日本生理学雑誌. 53. 49 (1991)
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[Publications] 小川 徳雄: "星状神経節ブロックによる脳血流と鼓膜温の左右差" 自律神経. (1991)
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[Publications] 小川 徳雄: "姿勢によって生じる鼓膜温の左右差について" 宇宙航空環境医学. (1991)
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[Publications] 梅山 孝江: "星状神経節ブロックによる鼓膜温変化にともなう脳血流分布変化ー脳血流シンチグラフィ-による検討ー" 日本臨床麻酔学会誌. 11. 388 (1991)
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[Publications] 小川 徳雄: "長時間の連続記録による左右鼓膜温の相対的変動について" 第69回日本生理学会大会発表予定.
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[Publications] Tokuo Ogawa: "Relationship between responses of tympanic temperature and of sweating to thermal and nonthermal stimuli.In:New Trends in Autonomic Nervous System Research" Excerpta Medica, 1 (1991)