1991 Fiscal Year Annual Research Report
インタ-ロイキン1受容体と細胞内シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
03454195
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松島 網治 金沢大学, がん研究所, 教授 (50222427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 万里子 金沢大学, がん研究所, 助手 (60019867)
郭 哲輝 金沢大学, がん研究所, 助手 (50126570)
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Keywords | インタ-ロイキン1受容体 / シグナル伝達機構 / 構造と機能 / インタ-ロイキン8遺伝子 |
Research Abstract |
生体防御反応に於いて重要な役割を有すると考えられているインタ-ロイキン(IL1)には2つのタイプ(IL1αとIL1β)が存在し活性化マクロファ-ジ,血管内皮細胞、皮膚角化細胞など種々の体細胞により産生される。IL1の生物活性も多様でリンパ球の活性化作用だけでなく線維芽細胞,内皮細胞,骨髄系細胞,神経細胞などの増殖、機能促進作用を有する。IL1αとIL1βを同等のアフィニテイ-で結合する受容体(IL1R)には少なくても2つの違った遺伝子によってコ-ドされたタイプがある。80kDaの糖蛋白からなるType 1L1RはTリンパ球,線維芽細胞,内皮細胞などの細胞表面に表現されており、60kDaの塘蛋白からなるTypeII IL1RはBリンパ球と骨髄系細胞表面上に表現されている。TypeII IL1Rの機能については確立していないので今年度はTypeI IL1Rのみについて検討した。今年度の本研究の進展、新しい知見について要約すると以下のようになる。1)IL1Rの構造と機能の関連、特に細胞内シグナル伝達に必須な部位の同定に関する仕事においてすでに意義ある進展がみられた。マウスIL1RcDNAをトランジェント発現ベクタ-に組み込み、ヒトT細胞白血細胞株Jurkatに遺伝子導入し、IL1α変異体(マウスIL1Rにのみ働く)で表現されたマウスIL1Rを選択的に刺激した。またIL1RcDNAと同時にIL8遺伝子エンハンサ-、プロモ-タ-領域を含むCAT発現ベクタ-も同時にJurkatに遺伝子導入し、IL1α変異体刺激により誘導されるCAT活性によりマウスIL1Rを通したシグナル伝達の有無を決定した。種々のマウスIL1Rの欠失体、変異体作製の結果C末端側のアミノ酸28個欠失しても機能するがその他の細胞内領域189個のアミノ酸のどの領域の欠失によってもシグナルが伝わらなくなることが判明した。またserineキナ-ゼによってリン酸化されると考えられるSer431とSer528をAlaに置換してもシグナル伝達に影響を与えず少なくともIL1Rのシグナル伝達にはこれらのアミノ酸のリン酸化は関与しないことが判明した。また、従来よりアミノ酸配列の上から注目されていた核移行シグナル(配列)もIL8遺伝子活性化という点では直接関与しないことが判った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Baldwin,E.T.: "Crystal structure of interleukin 8" Proc.Natl.Acad.Sci.88. 502-506 (1991)
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[Publications] Mukaide,N.: "Dexsamethasone inhibits the induction of monocyte chemotactic activating factor production by IL1 or tumor necrosis factor" J.Immunol.146. 1212-1215 (1991)
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[Publications] Smith,M.J.: "Interleukinー8 gene expression and production in Human Peripheral Blood Lymphocyte Subsets" J.Immunol.146. 3815-3823 (1991)
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[Publications] Tsai,WーP.: "Decrease in cytokine production by HIVーintected macrophages in response to LPSーmediated activation" Lymphokine and Cytokine Res.10. 421-429 (1991)
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[Publications] Matsushima,K.: "Cloning and expression of murine interleukin I receptor antagonist in macrophages stimulated by colonyーstimulation factor I" Blood. 178. 616-623 (1991)
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[Publications] Mahe,Y.: "Hepatitis B virus X protein transactivates human interleukin 8 gene throughhacting on nuclear factor KB and CCAAT/enhancerーbinding proteinーlike ciselemenls" J.Biol.Chem.266. 13759-13763 (1991)
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[Publications] Oppenheim,J.J.: "Annual Rev.Immunol." Annual Reviews INC.Palo Alto,California,USA, 617-648 (1991)
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[Publications] Matsushima,K.: "Chemical Immunol." S,Karger., 236-265 (1992)