1993 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン1受容体と細胞内シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
03454195
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松島 綱治 金沢大学, がん研究所, 教授 (50222427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助手 (40242565)
秋山 万里子 金沢大学, がん研究所, 助手 (60019867)
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Keywords | インターロイキン1 / 受容体 / シグナル伝達 / IL-8遺伝子発現 / TNF / ホルボールエステル / プロテインキナーゼ / 転写因子 |
Research Abstract |
IL-1,TNFによるシグナル伝達経路,特にIL-8産生誘導に関与するプロテインキナーゼを検索する基礎的知見を得るため、各種プロテインキナーゼ阻害剤を用い、IL-1,TNFによるIL-8産生誘導、IL-8遺伝子発現誘導への影響を調べた。IL-8遺伝子発現誘導については、IL-8遺伝子上流域(-133- +44)を有するCATベクターを用いたCAT活性の誘導を測定することにより調べた。その結果、胃癌細胞株MKN45におけるIL-1,TNF刺激によるIL-8産生およびIL-8遺伝子の活性化は、プロテインキナーゼ阻害剤H7により25-50μMの濃度で効率よく阻害されるが、一方、同濃度の阻害剤HA1004は、IL-8産生およびIL-8遺伝子の活性化に関してIL-1,TNFの作用を抑制しないことがわかった。一方、プロテインキナーゼ阻害剤スタウロスポリンは、50nMでホルボールエステル、PMAによるIL-8産生誘導およびIL-8遺伝子の活性化を顕著に抑制するが、IL-1,TNFの作用は抑制しないことがわかった。これらの結果から、IL-1,TNFによるIL-8遺伝子発現誘導には、H7感受性、スタウロスポリン非感受性の経路が関与することが示唆された。これまで我々のグループは、IL-1,TNFによるMKN45細胞でのIL-8遺伝子発現誘導に、IL-8遺伝子上流域に存在するNFkB結合部位およびAP-1結合部位が重要であることを明らかにしているが、今回ゲルシフトアッセイの結果から、プロテインキナーゼ阻害剤H7は、IL-1,TNFによるNFkBのDNA結合活性の誘導を阻害しないことがわかった。このことから、NFkBのDNA結合活性の誘導経路とは異なるH7感受性経路がIL-1,TNFによるIL-8遺伝子発現誘導に必要であることが示唆された。またチロシンキナーゼ阻害剤であるハービマイシンAは、1-2μg/mlの濃度でMKN45細胞でのIL-1,TNFによるIL-8産生を阻害することから、IL-8産生誘導のいずれかのステップにチロシンキナーゼが関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kuno,K.: "Structure and function of the intracellular portion of the mouse interleukin 1 receptor(type 1)." J.Biol.Chem.268. 13510-13518 (1993)
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[Publications] Nomura,H.: "Molecular cloning of cDNA sencoding a LD78 receptor and putative leukocyte chemotactic peptide receptors." Int.Immunol.5. 1239-1249 (1993)
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[Publications] Horiguchi,H.: "Cadmium induces interleukin-8 production in buman peripheral blood mononuclear cells with the concomitant generation of superoxide radicals." J.Biol.Chem.12. 421-428 (1993)
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[Publications] Harada,A.: "Expression of recombinant rabbit IL-8 in Escherichia coil and establishment of the essential involvement of IL-8 in recruiting neurtophils into lipopolysaccaride-induced inflammatory site of rabbit skin." Int.Immunol.5. 681-690 (1993)
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[Publications] Sekido,N.: "Prevention of lung reperfusion injury in rabbits by a monoclonal antibody against interleukin-8." Nature. 365. 654-657 (1993)